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秋の風物詩~♪
…に入るかどうかはわからないけれど、
秋になると銀杏が出てきます。
好き嫌いの分かれそうな銀杏ですが…
それはきっと、銀杏の定番である
茶碗蒸しの中の銀杏のせい?
銀杏いやー!きらいー!という方はぜひ、
一度は新鮮な銀杏を食してみてほしい
ものです。
新鮮な銀杏はきれいな翡翠色。
火を入れると半透明になり、
それはきれいなエメラルドグリーンなのです。
あ、色がどうこうではなくて、
香りも味も食感も、
茶碗蒸しの銀杏とは大違い。
そこのところをぜひ堪能してほしいですよ。
イチョウの実の処理
さて、銀杏を拾ってきたら、まずはこの
臭い実の処理をする必要があります。
【実を拾ってきてからの手順】
- 銀杏を実から取り出す
- 銀杏を水でよく洗い、乾かす
銀杏を実から取り出す
まず、拾ってきた実から
種子(銀杏)を取り出す必要があります。
果肉がまだしっかりしていて硬い場合には
銀杏が取り出しにくいので、
まずは腐らせます。
- 実がまだ硬い…腐らせる→銀杏を取り出す
すでに実が柔らかい場合は日を置かず、
すぐに銀杏を取り出す処理をします。
- 実が柔らかい…銀杏を取り出す
【実を腐らせる】
実を持ち帰ったら、ビニール袋に入れたまま
ビニール袋の口は閉じたままで数日置きます。
置いておくと腐って果肉が柔らかくなるので
それから銀杏を取り出す処理をします。
【銀杏を取り出す】
実に直接触るとかぶれてしまうことがあるので
できるだけ実を触らないようにします。
柔らかくなった実の果肉を
ビニール袋の外側から潰して
銀杏を実から押し出します。
ビニール袋の中で、実から銀杏を分離する
ことで、手を汚さないようにするのです。
このとき、ビニール袋は
二重にしておくほうがいいですね。
ビニール袋が薄いと破れたり、
汁が染み出してきたりします。
ビニール手袋などを使って直接
実を潰してもいいのですが、
汁でギトギトになるし、
手袋が薄手の場合には
汁が貫通して手に付いてしまいます。
外から実を潰して分離させた銀杏を
ビニール袋から取り出すだけなら
ビニール手袋でも大丈夫だと思いますが、
心配ならばゴム手袋を使いましょう。
銀杏を水でよく洗い、乾かす
【銀杏をよく洗う】
ビニール袋から取り出した銀杏を
水でよく洗います。
果肉が銀杏の殻の表面に残らないように
何度もきれいに洗い流しましょう。
このときも手袋をしていたほうがいいですよ。
【銀杏を乾かす】
銀杏がきれいになれば、
そのままザルなどに上げて天日で乾かします。
銀杏の保存
銀杏を洗った後、雨にぬれないように
外に干しておくと、そのままひと月くらい
保ちます。
うちでもザルに入れてひと月くらい
外に晒しっぱなしにしていました。
(11月中旬~12月中旬ころまで)
外に出しておきたくない場合には、
湿気の少なく風通しのよい冷暗所に、
紙袋や新聞紙などに入れて置いておくと
いいようです。(ひと月程度)
さらに長期間、保存をしたい場合には
殻のままフリーザーバッグに入れて
冷凍保存が可能。(1-2ヶ月程度)
また、火を入れて殻を取った状態で、
使う分量ほど小分けにして冷凍保存を
するのもありです。(ひと月ほど)
銀杏は新鮮なほど濃い緑色をしており、
古くなると黄色くなっていきます。
黄色くなると、癖のある風味が
強く出てくるので、緑色の新鮮なうちに
食べるのがおすすめ。
茶碗蒸しの黄色い銀杏が苦手な方は、
ぜひ緑色の銀杏を食べてみましょう。
クセがあまりなく食べやすいだけでなく、
プチッとした歯ごたえや香ばしい風味が
くせになるかもしれないですよ。
銀杏の食べ方
さて、ようやく銀杏の食べ方です。
銀杏を洗って乾かしたら、あとは簡単。
銀杏をフライパンで炒る
銀杏を炒るとき、
殻を先に割るのか、後で割るのか…どっち?
というのがありますが、
これはどちらでもお好みでいいです。
ここでは先に割らずに後で割る、
ということで話をします。
(殻の割り方は後述します。)
【フライパンで炒る】
銀杏を殻のままフライパンに入れて
火にかけ、じっくり炒る。
パチパチと銀杏が爆ぜて
殻がいくつか割れたらできあがり。
全部の殻が割れなくても大丈夫。
いくつかの殻が割れていれば、
火は通っているはずです。
しつこく火にかけすぎると、
せっかくの新鮮な銀杏が固くなったり
干からびてしまいます。
なにごともほどほどが肝心。
銀杏を電子レンジでチン
銀杏はフライパンで炒ったり湯がいたり…
調理法はいろいろあるけれど、
おつまみにちょいと食べるくらいなら
一番簡単なのは、電子レンジでチン。
【銀杏を電子レンジでチン】
銀杏を殻ごと封筒にいれて、
封筒の口を2-3回折り曲げます。
500Wの電子レンジで50秒でチン。
時間は電子レンジによって前後します。
銀杏は生焼けだとよくないので、
中まで火が通っているかを確認して
食べましょう。
銀杏は火が通っていれば
実は半透明になります。
銀杏は他にも、茹でたり焼いたり揚げたり
炊き込みご飯にしたりと…
意外といろいろな料理に使えますよ。
銀杏の殻を割るコツ
銀杏を炒るなどして、
すでに殻が割れている場合には
簡単に手で割ることができますが、
そうでない場合には道具を使います。
- キッチンバサミの柄の部分
- ペンチ
- 金槌 …などなど。
銀杏は、挟んで割る道具が一番いいかも。
叩いて割る方法の場合は、
うっかり実を潰してしまいかねないからです。
【銀杏の殻を割るコツ】
銀杏の殻は、銀杏を横にして尖っている部分
(縫合してあるようなイメージの部分)を
叩く、あるいは挟んで割るのがコツです。
個体によっては割りにくいものもありますが、
大抵はこの(縫合?)部分に圧をかければ
簡単に割ることができます。
【重要】:銀杏の中毒
銀杏を語る上で外してはならないこと。
それは、銀杏中毒について。
銀杏は新鮮なものほど癖が少なく、
炒ると香ばしくておいしく、食べやすいうえに
プチプチとした弾力と歯ごたえで
ついつい手が伸びてしまいがち。
しかし銀杏には中毒を起こす成分が含まれて
いるため、注意が必要です。
中毒を起こす歳と量
中毒を起こしやすいのは10歳未満の子供。
しかし大人であっても、栄養や健康状態に
よっては中毒症状を起こします。
中毒を起こす量というのは人によるので、
銀杏は○個までなら食べてもいい、とは
言い切れないものです。
「歳の数以上は食べてはいけない」とも
いうようでが、歳によるとも言い切れない。
そしてこれはせめて子供の歳の話でしょう。
少なくとも5歳未満の子供には
食べさせないこと。
5歳を超えても少量のみにし、
あらかじめ個数を制限すること。
大人でも子供でも、心配ならば
まず1~2個/日くらいから。
大人でも日に10個程度にしておくのが
無難なようです。(ただし健康な方)
銀杏の食べ過ぎを防ぐには
食べ過ぎを防ぐのは、じつは簡単です。
あらかじめ食べる数を決めておき、
食べる数だけ調理すること。
フライパンで炒ったり、電子レンジでチン
する場合はとくに簡単なので、
日々食べるならばその都度、直前に
食べる数だけを調理をすればいいのです。
炒った銀杏は、温かいうちが香ばしくて
柔らかくておいしいもの。
食べる数だけを、食べる直前に。
これだけで食べ過ぎることはないでしょう。
(もちろん、追加調理はなしですよ~)
[関連記事:食材の中毒…銀杏の毒と症状]
【参考リンク】
[日本中毒情報センター:ギンナンの食べ過ぎに注意しましょう]
[北海道医療大学 和田名誉教授研究室:銀杏(ぎんなん) 食中毒とは]