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夏になると…というか、
夏になる前から出てくる虫。
蚊。
これがヴィーン…と出てくると、
またそろそろ夏が来る。
寒さから遠ざかる開放感と
他の虫も出てくるイヤな感じと、
また暑さに苛まれるシンドさと。
そしていまだにときどき
薄っすらと湧いて出てくる
夏休みのワクワクなイメージと。
この時期はいろいろな想いがまぜこぜに
なって、また、夏が来る…
と思うのです。
ま、蚊なんて寒くても
たまーに見るんだけれども、
動きが早くて数も多く、
活発な夏の時期がいちばん厄介。
でも日本の蚊って、
どのくらいの種類がいるものでしょう。
蚊の遭遇率は高いけど、蚊について
じつはあまり知らないものですよね。
蚊の種類は日本でどのくらい?
蚊の種類はとても多く
日本国内でも100種類はいるようで、
その中で血を吸うのは20-30種くらい。
日本国内で人の血を吸うのは
大きく分けて2種類。
- イエカ(アカイエカ、チカイエカ)
- ヤブカ(ヒトスジシマカ)
蚊は常日頃から吸血している
わけではなく、通常は花の蜜とか
植物の汁などを摂取している。
血が必要なのはメスのみで、
産卵をするために血を吸うのです。
血を吸われると何がイヤって…
とにかく痒い、ということですよね。
蚊に刺されるとかゆいのは、
血が固まらないようにする物質を
唾液と一緒に注入するから。
人はこれにアレルギー反応を起こして
かゆくなるのです。
イエカ
イエカは全体に薄茶色いような見た目。
アカイエカの場合はその名の通り、
少し赤い。
夜に活動…というか血を吸う。
- アカイエカ
アカイエカは3月~11月に発生するが、
真夏は数が減り、メスは越冬する。
成虫は1~2ヶ月くらいが寿命。
越冬する場合は
半年生きる蚊もいるそう。
家の中に居るのはたいていアカイエカ。
おもにに夕方から夜に活動する。
寝ているときに耳元に来る煩わしい
蚊は、たいていこのアカイエカ。
- チカイエカ
チカイエカは地下に居ることが多く、
冬眠せずに一年中活動する。
成虫は30日くらいの寿命。
一度だけ血を吸わずに
産卵することができ、
二回目以降はやはり吸血が必要らしい。
アカイエカとチカイエカは似ていて
見分けるのが難しいようなんだけど、
ときどき、あれ?この蚊ちょっと違う…
というのがいます。
それがこのチカイエカっぽいなと。
アカイエカは後ろ足が
極端に反り返っているけれど、
チカイエカはあまり反っていないのです。
ヤブカ(ヒトスジシマカ)
ヤブカは黒地に白い筋がある蚊。
正式名はヒトスジシマカという。
ヤブカは5月~11月に発生。
昼から夕方に活動する。
成虫は40日くらいの寿命。
ヤブカというくらいで、
暗くてジメジメした場所が好き。
水たまりなど、ちょっとした水のある
場所に卵を産み付け、発生する。
ヤブカは見た目で分かりやすい。
刺されたらすごくかゆい蚊、
という認識があります。
蚊は病気を媒介する
蚊が世界中で嫌がられる理由は
いろいろとありそうですが、
そのいちばんの理由は
病気を媒介すること。
日本にはそんな蚊はいない、
というイメージがありますが、
実はそんなこともないようです。
日本によくいるイエカもヤブカも
病原菌を媒介する恐れはあります。
日本国内で感染することは稀ですが、
まったく無いとはいいきれないようです。
イエカの場合
アカイエカとチカイエカは、
ウエストナイル熱などを媒介します。
- ウエストナイル熱
感染経路は鳥から蚊→人へ
ウエストナイル熱は
北米での感染があり、
日本での感染は確認されていない
のですが、渡航者の感染報告が
あるようです。
また、日本でワクチン接種をしている
日本脳炎は、コガタアカイエカが媒介。
- 日本脳炎
感染経路は豚から蚊→人へ
数は少数ですが出ているようです。
ヤブカの場合
ヤブカが媒介するというのは次の3つ。
- ウエストナイル熱
感染経路は鳥から蚊→人へ - チクングニア熱
感染経路は人から蚊→人へ - デング熱
感染経路は人から蚊→人へ
上記のうち、下の2つは主に
熱帯地域などでの感染が多いのですが
渡航者が感染した例があります。
日本では蚊の媒介で
感染症になったということが
あまりないので安心なのですが、
飛行機でどこでも行き来できる時代。
菌を持った蚊が国内に入ってくる
ということもあるようです。
[厚生労働省: 蚊媒介感染症]
いまのところは心配しすぎることも
ないかもしれないですが、
できれば蚊に刺されたくはない
ですよね~。
[関連記事:蚊に刺されやすい人の条件]