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梅雨時期や夏になると毎年、
食中毒についての注意喚起がされます。
冬もですよね。
夏場は細菌によるものが多く、
冬場はウイルスによる食中毒が多い。
寄生虫による食中毒は年中を通してです。
そしてこれ以外の食中毒というのが、
自然毒によるもの。
日常的に食べている食材の中でも、
じつは毒を持っているんだよ~
なんて聞かされるものもありますよね。
たとえば、ジャガイモの芽。
ジャガイモの芽の周りを取って捨てましょう、
というのは昔からいわれていること。
ジャガイモはほとんどが可食部だけど
一部には毒を持っているから取って捨てる。
こんな食材がほかにもあるのですよね。
食材の毒で食中毒?
自然毒は大きく2つに分けられます。
◇ 植物性自然毒…キノコや植物
◇ 動物性自然毒…フグ、魚、二枚貝など
普段の生活をしていて、食材の毒に
出くわすことってどのくらいあるのかなと、
少々不思議に思うことがあったのですが…
キノコやフグはイメージがわかりやすく納得。
山菜なども似た植物があり、
間違えると危ないとかよく聞きます。
あとは家庭菜園で育てているものと似ている、
毒性のある花や自然に生えている植物を間違え
て食べてしまったとか…。
共通するのは、
安全に食べられるものと間違えて
似ている毒性のあるものを選んでしまうこと。
人からもらったものなので
毒があるとは知らずに食べてしまった、
ということもあるようです。
他には釣った魚に毒があったとか…
これらも意外とあるみたいですね。
でもキノコも取りに行かないし、
家庭菜園もしないから大丈夫~。
なんて思っている人も多いかもしれないけど…
冒頭で書いたとおり、もっと身近な食材にも
毒をもつものがあるのです。
身近な食材の毒
身近な食材に毒があったとしても、
意外と知らないままに過ごしていたりします。
よく今までなんともなかったな~
とか思いますよ。笑。
軽くあたっていたとしても、
少々の体調変化くらいでは
食中毒なんて疑いもしないから、
原因として直結していなかっただけ
なのかもしれない。
どのみち、これまで食あたりになったことが
ないのならば、案外運良く避けられていた
ということもあるのでしょう。
一部に毒をもつ食材
丸ごと食べてはいけない有害なものなら、
そもそも口にすることはしないけど。
普段食べているものの一部に有害な部分が
あるとすれば、それは知っておいたほうが
いいですよね。
ジャガイモ
ジャガイモの芽には毒があるといいますよね。
だから調理するときには意識して芽を取ります。
しかしジャガイモはこれだけではないのです。
緑色になったジャガイモを
見たことがあるでしょうか。
芽が出ている部分。
表面の一部あるいは表面全体が緑になる。
この緑色に変色した部分に毒を含んでいます。
【毒の種類と症状】
ソラニンやチャコニンと呼ばれる天然毒素。
これを多く含んでいるジャガイモを食べると、
吐き気、嘔吐や下痢、腹痛、めまいなどの
症状が出る。
これはジャガイモの芽や緑色になった部分に
多く含まれているのです。
保管時に光が当たる場所に置いていると、
ジャガイモの表面が緑色に変色します。
また、未熟なジャガイモにも多く含まれます。
安く売られているジャガイモのなかには、
表面が緑色になっているものも見かけます。
【ジャガイモを食べるときの対処】
ジャガイモの芽を取る。
子供が食べるならなるべく皮をむく。
緑色になっている部分を厚めに切り取る。
茹でても毒素は分解されないので、
切り取って捨てるようにします。
また、苦味やエグミがある場合には、
食べないようにするほうがいいでしょう。
農林水産省のサイトに詳しく書かれたページが
ありましたので参考にどうぞ。
[農林水産省:ジャガイモによる食中毒を予防するために]
食べすぎると毒になる食材
おつまみに…とか、
ちょこっと食べるには全く支障なしですが…
食べすぎるとけっこうやばいよ?
というものがあります。
ギンナン(銀杏)
ギンナンは殻ごと炒って食べると
美味しいんですけどね~。
ギンナンはたくさん食べるものじゃない…
ってご存じの方も多いでしょう。
たくさん食べすぎると下手すれば致命的。
大変なことになります。
【毒の種類と症状】
ギンナンは4-O-メチルピリドキシンという
ビタミンB6と似た構造の物質を含んでいる。
そのためギンナンを大量に摂取すると、
ビタミンB6欠乏症になり中毒症状が出る。
嘔吐、下痢、呼吸困難など。
亡くなった例もある。
【ギンナンを食べるときの対処】
加熱しても中毒成分は消えない。
5歳以下の子供に中毒が多いため、
食べさせないほうがいい。
大人でも量が多いと中毒を起こす。
人によってその量には差があり、
一日40個以上で中毒が出る人もあれば、
日頃から魚や肉などに含まれる
ビタミンB6が欠乏している人などは
5個でも中毒を起こすようです。
ギンナンはイチョウの種子の部分ですが、
人から貰ったりすることもあるでしょう。
調子に乗って食べ過ぎないようにしましょう。
イチョウの実を自分で拾う場合には、
あのとても臭くてグチョグチョの実は
皮膚に付くと皮膚炎を起こしますので
注意が必要です。
[関連記事:拾った銀杏を食べる]
ギンナン中毒の詳細はこちら。
[和田名誉教授研究室:銀杏(ぎんなん)食中毒とは]
状態によっては毒がある食材
日常で食べている食材ではありますが、
その食材を食べるときの状態によっては
中毒の危険を伴うものもあります。
青梅
青梅に毒があるというのは有名?
かもしれないですけど、
特に毒性が強いのは未熟な青梅。
未熟な青梅には、果肉と種子に毒がある。
成熟した青梅の果肉にはあまり残らない
ということですが、
種子にはまだ少々残っているようです。
青梅は通常、そのまま食べるものではなく
加工して食べるもの。
しかしアルコールのつまみとして
青梅に塩を付けて食べる人もいるんだとか…
(ただし、成熟した青梅ですよ)
おそらくエグくてまずくて、
スッッパイでしょうに…モノズキ。
成熟した青梅なら数個は大丈夫らしいけど、
あまり真似はしないほうがいいでしょう。
(たしか危ない数は300個以上ですけど^^;)
【毒の種類と症状】
青梅の毒はアミグダリンという青酸配糖体。
特に未熟な青梅を食べてしまうと、
体内で分解されて青酸を発生し中毒となる。
頭痛、嘔吐、下痢、痙攣、呼吸困難などを
引き起こす。杏やビワなどの種子も同様。
【青梅を食べるときの対処】
カリカリ梅や梅干し、梅シロップなどの漬物、
または火にかけ煮たりするなど
なにかしら加工すれば毒素は分解され、
無毒化される。
白インゲン豆
いんげん豆っていろいろありますよね。
購入するときの状態も違います。
サヤごと食べる生のものと、乾燥した豆。
これにはある理由があるようです。
サヤごと生で食べるものは、
中の豆がまだ小さい、未成熟のもの。
乾燥した状態で売られているインゲン豆は、
完熟した豆。
ここで対象となるのは、
後者の乾燥インゲン豆。
【毒の種類と症状】
生のインゲン豆には、
糖結合タンパク質のレクチンという物質が
含まれており、これが胃や腸などの消化器に
炎症を引き起こす。
これにより、吐き気、嘔吐、下痢、
腹痛などの症状が出る。
しかし重症化することはあまりない
ということです。
生のまま食べるということは
通常はしませんが、
調理法を誤るとひどい目にあいます。
【白インゲン豆を食べるときの対処】
長時間水につけてアク抜きをし、
豆が柔らかくなるまで沸騰状態で充分煮る。
つまり通常の乾燥豆の調理方法で問題ない。
生のまま、あるいは加熱しても
時間が短いなどの状態で食べると
中毒症状を起こす。
また、温度が不十分な場合は
毒性が強まるということもあるようなので
注意が必要です。
通常の食べ方ならば全く問題がないものを、
変わった方法で食べるというときには
慎重にならないといけないですね。
この白インゲン豆による中毒は、
平成18年5月に全国で多発したもの。
その理由は、テレビ番組のダイエット情報
であったようです。
白インゲン豆の中毒については、
厚生労働省のサイトで詳細が書かれています。
[厚生労働省:白インゲン豆の摂取による健康被害事例について]
食材の処理の仕方というのは、
長年の経験から今の状態になった、
という部分があるかと思います。
それを考えると、
その方法を安易に変えてしまうことは
ものによってはこわいことなのですね。
その他の身近に毒を持つ植物
ここまで、身近に毒をもつ食材を
いくつか調べ書いてみましたが、
ほかにもまだまだあります。
しかしそのほとんどは、
一般のサラリーマンとかの家庭では
あまり触れることも少ないものかも…?
野生のキノコとか
山菜採りとか
野草を採りにいくとか
釣りに行ってよくわからない魚を釣るとか
畑や庭でいろいろな植物を育てているとか…
自分の日常とは少し離れたことや
慣れないことをする場合には
やはり注意が必要です。
日頃から慣れている人でも
間違えたりするわけですからね…。
つまりは、
- 通常の食材でないものを使わない
- 安全かはっきりしないものは食べない
- 変わった調理方法には注意
不安なものは慣れている人に確認する。
自分でもどんなものかをよく調べる。
などなど、安全に食事をするためには
気をつけないといけないのですね~。
最後に、さまざまな自然毒について
消費者庁に詳細がありましたので共有します。
[消費者庁:自然毒]