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雑草の遊びをとおして植物との関わりを持ち、学びを得る子供

この記事を読むのに必要な時間は約 14 分です。

雑草で遊ぶ方法
むかし子供だった人は皆、
少なからず覚えがあるでしょう。

雑草で遊ぶというのはきっと、
全国の子供がやっていたはず。

思い返してみれば、雑草を使って
けっこういろいろな遊びをしたものです。

 

うちは中途半端な田舎で、
そこらへんにあるものといえば
雑草くらいなもの。

子供の頃はそこらへんによくあるような
雑草で遊んでいたのです。

特に、小学校からの帰り道。

歩く距離がそれなりに長いので、
まっすぐ家に向かって歩いてはいるものの、

あまりに手持ち無沙汰なので
遊び相手として雑草を掴みながら
帰っていたのです。

雑草での遊びとは

雑草は田舎に限らず、
川辺の土手や公園、植木の余白やら
アスファルトの隙間からなど、
そこら中にたくさん繁殖していますよね。

春から夏、晩秋にかけてまで、
さまざまな種類の雑草が所狭しと
はびこっています。

 

雑草は季節ごとに
顔ぶれが変わっていくので、

対象の雑草も遊び方も、
そのときの季節によって変わるのです。

 

雑草での遊び方の情報源は、
近所の年上の子供や学校の先輩、友達など。

教えてもらって真似してやってみたり、
それを他の植物でやって遊んでみたり。

 

遊び方の違いで分けてみると、
次のようなものでしょうか。

  • 音を鳴らして遊ぶ
  • 結って遊ぶ
  • ちぎって遊ぶ
  • 人に付けて遊ぶ

 

これらを定番の雑草でやったり、
似たような違う雑草でも試してみたり。

子供ながらにいろいろと試して
学んでいるんですよね。

そこで、実際にやっていた遊びを
いくつか紹介します。

音を鳴らして遊ぶ

音が鳴る雑草がいくつかありますが、
有名なのは草笛ですね。

草笛といってもまたいろいろあります。

  • 開いた葉を吹く
  • 葉を丸めて吹く
  • 丸まった葉を吹く
  • 茎を吹く
  • その他の部位を吹く

草によって方法はさまざまで、
また、吹くときの加減なども違います。

開いた葉を吹く

  • 薄い葉っぱ

私は桜の葉でやった記憶がありますよ。
学校からの帰り道、通る川沿いには
桜並木がありましたからね。

【吹き方】

葉っぱの表面を口に当てる。
手は人差し指と中指で口の端を押さえる。

唇を震わせるようにして葉の表面を吹く。

これは唇に振動がビリビリきます。
吹きすぎると、いつまでも唇に
ビリビリとした感覚が残りますよ。

時間とともに薄れますけどね。

葉を丸めて吹く

  • 少し厚めの葉

これは少し厚めの葉でやりました。

通りすがりの木の葉でやっていたので
名前まではわからないのですが、

厚めの葉で丸められるものなら
たいてい出来るのではないかな。

【吹き方】

厚めの葉を茎の方向に丸く巻いて、
片方を少しつぶす。
つぶした方を口にして吹く。

丸める大きさは、穴が一センチくらいに
なるようにするとちょうどいいかも。

息がしっかり穴を通るように、
ゆるく吹きます。

丸まった葉を吹く

  • 笹(?)
    (アシ(ヨシ)かも…)

私はこれを笹でやっていた…と
長年思っていたのですが、
アシ(ヨシ)かもしれないです…^^;

記憶があいまい。

【吹き方】

笹の茎の先端から出ている、
尖っている部分を抜いて使います。
これは開く前の丸まっている葉。

この丸まっている葉を開くと、
中に細い芯のようなものがあるので
これを抜いて捨てる。

そして開いた葉を丸め直して、
太い方を口にして吹く。

 

これは実際に見ないとわかりにくいですが、
わかりやすく図解されているサイトさんが
ありました。

次のスズメノテッポウと同じリンク先なので
そちらへリンクを貼っておきます。

茎を吹く

  • スズメノテッポウ

上の頭の部分を抜いて外す。
茎の先端についている葉を茎に沿って折る。
茎の空洞の部分を吹く。

これも説明だけだとわかりにくいですね。

 

先程のヨシとスズメノテッポウの吹き方の
図解があるサイトさんへのリンクはこちら。

公益財団邦人 日本博物館協会:草笛

 

  • ドクバナ(通称)
    (ウマノアシガタ?)

【吹き方】

茎を適当な長さに切って、片方をつぶす。
つぶした方を口にして吹く。

 

当時はドクバナと呼んでいたのですが、
どうやら違う?ようです。

ドクバナで検索してみると別の花が…。

地方によって呼び名が違うのか、
もしくは私の周辺の子どもたちの
単なる勘違いでそう呼んでいたのかも。

今となっては
確認のしようもないですけどね。

 

黄色い5枚の花びらで少し艶がある感じ。

記憶からひたすらその花の姿を検索して
みると、ウマノアシガタ(馬の脚形)という
名前の植物でした。

私たちがドクバナと呼んでいた植物は、
キンポウゲ科キンポウゲ属の野草で、
これ…

やはり有毒植物だそうな…
やはりドクバナ^^;

 

[ウマノアシガタ]

  • 肌につくとかぶれたり腫れたり
  • 誤食で口の中や消化器官が炎症を起こす
  • 腹痛や下痢を引き起こす

こわ…食べはしないけれども、
口に入れて吹いてましたからね…。

これはちょっとすすめられないので、
次に無害なものをオススメしておきます。

 

  • タンポポ

【吹き方】

タンポポも吹き方はドクバナと同じ。

茎を適当な短めの長さに切って、
片方をつぶして吹きます。

タンポポは白い汁が出て、
これが苦いしベタベタします。

なので、タンポポよりもドクバナの方が
扱いやすかったのですよね~。
(でもドク…^^;)

その他の部位を吹く

  • ピーピーマメ(通称)
    (カラスノエンドウ)

カラスノエンドウという名ですが、
「ピーピーマメ」と呼ばれるもの。

カラスノエンドウには豆サヤが付きます。
このサヤを使って笛を作るのです。

とても良く音が鳴るのでおすすめ。

【吹き方】

太めのサヤをもぎ取って、
茎とつながっていた部分を少し切り取る。

サヤの片方の接続部分を割って
中の豆を取り出す。

豆が付いていた内側の白い部分を
爪でそいできれいにする。

サヤを元のように閉じ、
尖った方を口にして吹く。

 

ピーピーというより、
プープーという音が鳴ります。

中の豆が大きくなっている太めのサヤを
選ぶと、サヤがふくれていて吹きやすい。

カラスノエンドウは、
北海道を除いては全国にあるようです。

調べてみると、
カラスノエンドウは食べられる雑草。

これは口にしても安心ですね。

結って遊ぶ

雑草を結って遊ぶ…といえば、
定番のシロツメクサの花かんむり。

花かんむりは作り方も簡単。
茎がけっこう丈夫なので結いやすい。

そして辺りに大量に自生するので、
数もなかなか充分でしょう。

 

しかしこれも得意不得意があるのですよね。
ヘタでも何度も失敗しながら作っていると
どんどん上手くなるものです。

 

シロツメクサは現在では
全国的な植物になっているようですが、
これはオランダから入ってきたのだそう。

とても馴染みのある
シロツメクサやクローバーですが、

日本での在来種への影響としては
あまりよろしくないみたいですね。

 

詳しくは次のサイトさんに書かれているので
興味があればどうぞ。

[国立研究開発法人 国立環境研究所:新入生物データベース]

ちぎって遊ぶ

  • オオバコの葉

葉をちぎる遊び。

このちぎる遊びは、ただちぎるのではなく、
慎重にうまくちぎることが目的の遊び。

オオバコの葉は繊維が強い。

葉を慎重にちぎると、葉脈の中の繊維が
切れてしまわずに繋がった状態で出てくる。

中の繊維をいかに切らずに葉をちぎるか、
というもの。

 

  • オオバコの茎

対戦型の遊び。

オオバコの茎を二本用意する。

この二本の茎を互いにくの字に引っかけて、
それぞれ引ひっぱり、切れたほうが負け。

 

  • 糸を引く葉
    (葉の名称不明…)

オオバコの葉と同じように葉をちぎる遊び。

ただこれは葉の繊維ではなく、
この葉をそっとちぎると糸を引き、
その糸が切れないように葉をちぎります。

下校途中に河川敷に植えられていた木の葉で
帰る道中ちぎって遊んでいたのですが…
名称不明。

いつか現地に行って名前を調べてみます。
(…いつになるやら)

服に付けて遊ぶ

くっつき虫、あるいは
ひっつき虫というもの。

服などにくっつけて遊ぶ…
ということもありますが、

草場で遊ぶと勝手にくっついてくる
ものも多い。

 

  • センダングサ

これはキク科の植物。

花が終わると、一つの花にたくさんの
果実ができる。

これに鋭いとげが付いており、
衣服にくっつく。

くっつけ合いっこをやるときには、
花の部分を丸ごと投げる。

花の形を保っていれば取りやすいが、
バラけると取るときに少々厄介。

 

  • オナモミ

これもキク科の植物ですが、
ラクビーボールみたいな形に
トゲトゲが付いているもの。

緑色から茶色になる。

これは刺さるとけっこう痛い。

 

  • ヤブジラミ

これはセリ科の植物で
白く小さな花が咲くが、

果実は小さなラグビーボール型に
トゲを持っている。

オナモミと見た目は似た形状だが、
大きさはヤブジラミがよほど小さい。

小さく赤みがかっていて
見た目も可愛らしく、
多少くっついても取りやすい。

 

  • ヒナタイノコズチ
  • イノコヅチ(猪の子槌)

ヒユ科の植物。

草の頭に三本の長い枝が出ていて、
その枝に棘の付いた小さい果実が
たくさん付いている。

この植物の側を通るときに衣服が触れると、
この一粒一粒が大量に引っ掛かり
くっついてくる。

これはメチャメチャ厄介なので、
子供同士でも遊ぶというよりは
気をつけて触れないようにする。

大量にくっつくと小さいから外すのが
面倒だし、なにより針が小さく鋭いので、
痛いし面倒だしで、この草ばかりは
どうしてもいやなのでした。

雑草遊びからはいろいろ学べる

子供の頃にやった雑草遊び。

思い返してみると、雑草で遊ぶことで
いろいろと得られたものがあったのかな~
と思います。

雑草ってそこら中にいろいろな種類がある。
たくさんあるから使いたい放題。

手を使っていじったり分解したり。
なにか作れないかな~と考えてみたり。

あと、花の蜜を吸うなんてこともしましたね。
[関連記事:蜜を吸える花]

 

子供の頃の記憶って、すでにすごく曖昧で
ほとんどよく覚えていないことが多いの
ですが…。

雑草で遊んだことについては、自分でも
よく覚えているものだと少し驚きました。

 

雑草遊びは大人になると、
つい不要なことを考えてしまうので
子供の頃のようには手が出ないのですよね。

虫がいたらいやだな~とか。
かぶれたらいやだな~とか。
毒があったらどうしよう、だとか。

 

虫を触ることなどと同じく、
長らく触れていないことで恐れが勝り
遠ざかってしまうもの。

ときどき子供の頃の自分を見習って
散歩しながら寄り道しつつ
躊躇せずに雑草遊びに興じたいものです。

[関連記事:道草を食うという言葉]

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