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以前、ちょっとしたおやつに
松の実を食べていたことがありました。
あるとき、ふっと思ったのです。
松の実というからには、
松の木の実だよねぇ…
いまさらで当たり前のことなのだけど、
そういうことに気づきました。
しかしよく考えてみると、
松の木の実って、松ぼっくり。
松の実は、松の種。
じゃあ、あの松ぼっくりに、
あの松の実がどうやって入っているのか…
という疑問がでてくるのです。
松の実は小さいけれど、少々厚みがある。
松ぼっくりが開いた笠は
そりゃあ隙間は広いけれど…
どうなってんの?
そりゃあ調べるしかないよねぇ。
松の実はどう、なるのか?
松の実は、予想通りに松の実でした。
これでは回答になってないんだけど…
松の実は、松の木になる実(?)である
ことには間違いない。
というより、
松の果実は、松ぼっくり。
「松の実」は松の種子ですね。
松ぼっくりの笠であるヒダヒダ(鱗片)の
間にできるのが、種子。
この種子のことを
「松の実」と呼んでいるのです。
なんかややこしいけど、そういうこと。
食用の「松の実」
「松の実」は、
松ぼっくりの間にできる種子のことですが
主に食用の種子のことを
「松の実」と呼んでいるのです。
松ぼっくりは、松の木があるところならば
だいたいその辺に転がっていますよね。
ほぼ日本全国にあるはずなのです。
しかし、食品の「松の実」として
売られているものは、ほぼ中国産。
それは何故でしょう?
日本産は無いの?
それもそのはずです。
日本の松ぼっくりと種子
日本に息づいている松のほとんどが、
食用の種子である「松の実」は
採れない種類の松なのです。
日本の松の種類の松ぼっくりは、
木についたまま徐々に乾燥して
笠(鱗片)が開くようになっている。
その松ぼっくりの笠の間に入っている
種子は、木の上から風に飛ばされて
方々へ散っていきます。
種子には薄い翼(よく)が付いており、
種自体もとても小さく軽いもの。
これではとても食用には向かないですよね。
[関連記事:松ぼっくりの時期]
「松の実」の松ぼっくりと種子
食用の松の実ができる松の種類では、
松ぼっくりが種子を内包したまま
丸ごと落下するようになっています。
そうして動物に捕食させて
種子を広めるのです。
そのため松ぼっくりも大きくて
種子も厚い。
日本で「松の実」が採れる松の種類は
食用の「松の実」ができる松の種類は、
多くの松のなかでも一部の種類だけ。
それも日本では、一部地域にだけ自生する
朝鮮五葉(チョウセンゴヨウ)だけだという
ことです。
日本で朝鮮五葉松が自生しているのは、
- 福島県の南部から岐阜の山岳地帯
- 四国の東赤石岳(愛媛県)
なお、愛媛県では数十株しか残っておらず
「愛媛県レッドデータブック」に
掲載されています。
ほかにあるのは、
植林や公園に植栽されているもの。
北海道には植栽されているようで、
国内外来種として「北海道外来種リスト」
(北海道ブルーリスト)に載っています。
北海道で、この朝鮮五葉松から松の実を
採って食べる、という記事がありました。
[このガラスビン知りませんか?:松の実を食べてみよう 前編/後編]
松の実の産地
松の実が採れる種類の松は、
日本にはほぼない
ということがわかりましたが…
すると当然、国産はないのですよね。
直接採って食べるとかは別ですけど~。
(いいですねv)
松の実は世界的に食べられて
いるようですが、
日本に輸入されている松の実はというと、
やはりほとんどが中国産。
あとはロシア産とかですね。
中国産というと昔からいろいろと
心配だったりしますけど…
松の実に限らずですが、
輸入する中国の農作物を
日本企業が生産時から管理していたり、
輸入時に検査して公表していたりするので
そういったものを探すのも手ですね。