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三千円の使い方~ドラマ第3話感想…主婦の氾濫と離婚の算段

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三千円の使いかた#3のあらすじ&感想
2023年1月からの新ドラマ
東海テレビ「三千円の使い方

第3話「熟年離婚の経済学」の感想です。

三千円の使い方~ドラマ第3話のあらすじ

ある日、美帆(葵わかな)の母・智子(森尾由美)に検査通知が来た。

子宮体がん、ステージI。

智子は手術で10日間入院することになったのだが、これを家族に話すと、美帆、真帆(山崎紘菜)、祖母の琴子(中尾ミエ)は大騒ぎ。
しかし夫の和彦(利重剛)はこんなときでも無口だ。

 

智子は入院して手術が無事に終わると、和彦とともに医師から説明を受けた。

病理検査の結果によっては、半年間の抗がん剤治療が必要になるという。
結果は二週間後。

智子が退院して帰宅すると、家の中が散らかっている…。
退院して早々、家事をする智子。

そして和彦からメッセージが入った。
「今日の夜は簡単なものでもいい。外食でも出前でも」

家族は、家のことは全て智子任せ。
夫は智子が退院した日でも相変わらずだ。

 

後日、智子が買い物から帰ると、リビングがお祝い仕様に飾られていた。
智子の退院祝いだそうだ。

家族は智子に喜んでもらおうと準備をしてくれているが、しかし智子は手放しで喜べない。

美帆の無駄な出費や、自分が座っているのに琴子が台所に立つことなどが気にかかる。
琴子は、和彦に頼まれたからいいというのだが…。

 

並べられた料理を皆で食べていると、手を付けられているのは琴子の料理ばかり。

美帆がそれに気づき、智子が作った料理に皆の目をを向けさせるのだが…

どうやらあまり美味しくなかったようだ。

美帆は取り繕い、父に同意を求めるのだったが、父はその料理に塩を振っていた。

 

智子は納得した。
だからお母さんに料理を頼んだのか、と。

和彦はいつもどおり、「ん…ああ」

智子はついに感情を吐き出し、家を飛び出していってしまった。

なにか言いたげな和彦に琴子が促すと、検査結果がまだだと言う。

 

検査結果が告げられる日、美帆は智子に付いて病院へいくことにした。
結果は、問題なし。

美帆はこれまでを反省して、家にも生活費を毎月入れるという。
そして、残ったらお母さんのお小遣いにして、と言うのだった。

 

3話はここまで。

三千円の使い方~ドラマ第3話の感想

さて3話目。

このドラマは毎回、家族のこと・お金のことなどを考えさせてくれるのですが…

今回は本当に、どの家族でも「あるある」な話だと思います。

主婦の仕事は当たり前?

「当たり前」は、当然・そうあるべき、と言う言葉。

今回、美帆の母・智子のイライラが爆発しちゃったのはここにある。

智子が普段からやっていることを、家族はあって当たり前、やってもらって当たり前、という意識になっていた。

この「当たり前」っていうのは
「慣れ」なんだよね、と思う。

 

家族は、智子に家事をやってもらって
当たり前だと思っていた。

それは逆に、専業主婦の智子が、自分が家事をやるのは当たり前として、なんでも自分でやってしまっているということの裏返しでもある、と思う。

 

相手にいつも何かをしてあげていると、相手はいつもしてもらっているからそれに慣れてしまう。

慣れてしまうことで、「当たり前」という認識に変わってしまうのですよね。

 

家事をやってくれていることに感謝こそすれ、これが「してもらって当たり前」になってくると、家事をしている人としては面白くない。

「当たり前」に胡座をかいてしまうと、その関係は破綻してしまうのだ。

 

私も身に覚えがある…。

人が自分のためにやってくれること。
それは自分の時間を割いて、自分のために使ってくれているのだ。

それは「当たり前」のことじゃないのです。

人の好意にはついつい甘えてしまうのですが…
「当たり前」に慣れてしまうことなく、是非気をつけていきましょう。

オバサンというイメージ

安さが売りの衣料雑貨店「むらさき屋」

智子がこの店に近づかなかった理由は、
「おばさん」というワードそのものにハマりたくなかったからのようです。

 

「バブル期」を生きてきた智子さんは、
「キレイでいなければならない」
「女でいなければならない」

という、「バブルの呪い」にかかっていたそうで…

しかしこの呪いを、むらさき屋が解き放った、というのはなかなか面白い。

ひとつの店に出入りするようになっただけで、意識改革されてしまうなんて…

そんな場所を見つけられたというのは、とてもいい事ですよね。

 

私は「バブル期」なんて知らないけれど、
無理して生きるより、年を取ったら取ったなりに生きるのが一番。

「オバサン」に分類されたとしても、それが何だというのか。

裏起毛のタイツ、
コロコロの付いたカバン。

タイツについては、若い人も履いてるんじゃないかと思う。

コロコロカバンについても、年を取ったらそれなりに…いやむしろ積極的に、身体的にラクなほうを選択していいと思います。

美帆の意識が少しずつ変わる

美帆は実家に戻ってからお金が貯まっている。

そりゃそうだ。
家賃と光熱費はいらない、ランチ代は弁当に。

そもそもの給料も、年齢にしてはかなりいい。
貯まるお金が増えて当然なのだ。

 

しかし美帆は…お金の使い方の意識は、根本的には変わっていない。

母・智子の退院祝いで、美帆は母にリラックスできるからとビーズクッションを買っていた。

タグを見つけて母は呆れていた。
19,800円…智子は心から喜べない。

きっと美帆は、あまり考えずに購入している。

 

母の退院祝いの飾り付けにも、けっこう出費があったのではと思う。
この装飾品らは、使い終わったらどうするのだろうか…。

おそらく、お母さんのために~とか、特別だから~とかいう名目で、お金を使ってしまうのかなと。
お金って、大義名分を掲げると、ついつい使ってしまうもの。

そして実家ぐらしで、自分の出費が減ったことも手伝って、このくらいはいいよね~という気持ちが出るものだ。

(…あぁ身に覚えがすぎる…)

 

智子が爆発したときに美帆に言ったこと。

それは、
いつまでも親に甘えない。
お金が貯まっているということは、その分親が負担しているということ。
お金は考えて使うように。

まったくその通り過ぎるよ、お母さん。

一言が欲しい智子とマイペースな和彦

智子はちらちらと、夫・和彦を見ていた。
病気になったときくらい、やはり一番声をかけてほしかったに違いない。

しかし和彦は、智子が病気の話をしていても、ただ新聞を眺めて何も応えない。

内心は驚いたり、心配したりもあるのではないかと思うのだけど…

どう声をかければいいのかわからず、それを表に出さないだけなのか、動揺しすぎて顔も見れないのか…

それとも単に、興味が無いのか。

何にしても、ひどいよこれは。

 

智子が退院する日、智子が1人で帰ると言ったにしても、少しは何かしらの配慮があっていいのじゃないか。

少なくとも、智子は和彦に何か言ってほしかったはずだ。

退院の日、智子は看護師から、旦那さんに甘えたらいいと進められるが、

「大丈夫か、の一言もない人にどう甘えたらいいのか」とつぶやく。

何も話さない相手に何かを期待しても、自分がすり減るだけなのだ。

 

退院して帰宅したばかりの智子に、
「今日の夜は簡単なものでもいい。外食でも出前でも」

和彦はこれでも配慮したつもりなのだろうけど、それなら、今夜は出前にしよう、だけでいい。

 

和彦は言葉が足りない…というより、言葉が話せないのかと思うくらいに無口。

それでも内心は何かを思ったりしているのだろうと思ったんだけど、どうやらこの人はメチャメチャマイペースなのか。

智子の料理について皆が気を使うなか、それに塩をかけていた和彦。

智子は、和彦が自分の体のことを気遣って、お母さんに料理を頼んでくれたのだと思っていたのに。

 

和彦はまったく周囲を気にしないのか…周囲に興味が無いのか鈍感なのか。

智子さんはよくこの人と結婚したものだ。
そしてよく、数十年も共に暮らしてきたなと思う。

 

料理がまずいなら、そんなの自分で作れー!とブチ切れた智子。

しかしこれには、さすがの和彦も正座して背筋を伸ばしていた。

和彦は、周に一度は自分で夕飯を作ると家族に約束したようだ。
というよりおそらく、家族に約束させられたのだろう。

しかし、その週一の日、和彦から智子に送られて来たメッセージは…

「今日、夕食ないんだっけ?」

 

人はすぐには変わらない。

10日で変わる家の匂い

智子が退院して帰宅すると、
「うちってこんな匂いだった?」と言う。

これは智子がいない間に、家の匂いが変わってしまったということだろうか。

それとも、ほぼ家にいる智子には、あまり家の匂いの自覚がなかったのだろうか…

 

智子は散らかったリビングを見て、自分の家じゃないみたい、とつぶやくことから、自分がいない間に家の状態が変わってしまい、それで家の匂いが変わってしまったということなのだ。

10日間程度で変わるものか…とも思うけれど、智子が入院する前に、家族にしてほしいことを書いたメモを見るとうなずける。

 

智子は専業主婦だ。
それもかなりマメなほうの専業主婦。

メモを見ると、毎日隅々まで掃除をし、埃が目立つところは水拭きと乾拭きを…などなど、事細かなことを書いている。

しかし普段から家のことを智子に任せっきりの家族に、いきなりそんながことできるはずもない。

 

毎日マメに家を掃除し、守っていた智子。

日々掃除をしてある清々しい家の匂いと、10日間、なにもかもを放置した家の匂い。

違いが出てもおかしくはないのかも知れない。

やはり怪しまれる小森

前回は、琴子を自分の家に誘って茶飲み友達になった小森(橋本淳)。

そして琴子の就職を応援し、職場にまで覗きに来ていた小森。

この人はいい人なのか、なにか魂胆があるのか…いまいち測りかねる。

 

今回は、小森が琴子の家を訪ねてきた。

ホームセンターで安かったからと、琴子に園芸用の肥料を持ってきたのだ。

小森と琴子が関わるとき、いつも小森から近づいているんだよね。

 

美帆と智子は、小森のいきなりの訪問に驚き、おばあちゃんの彼氏かと冗談半分で言っていたようだが、あまりに楽しそうなので不審に思う。

智子はのちに、小森のことを
「訳の分かんないの」呼ばわりしている。

 

琴子は小森に、社員割引で買ったという帽子をプレゼントしていた。
それも、琴子とおそろいの色違い…。

美帆は2人の会話に加わるが、やはり小森は人を褒める。

美帆は小森に褒められて、すっかり警戒心を解いているのだ。

 

しかしそんなそんな小森も、褒め方がイマイチのときもある。

智子の退院祝いのとき、小森も同席していたのだが、智子の料理の鶏肉が硬かったことから、
「顎の運動にもってこいです」と言うのだった。

それはフォローになってないよ、小森さん。

 

昔なら、わりとすぐに人を信じてしまっていたけれど、詐欺などが横行する昨今、向こうから近づく人には気をつけろ、なんて言われてしまう。

世知辛い世の中になったものだ。

智子の友人、千さとの離婚の算段

退院した智子の元にやってきた、友人の千さと(とよた真帆)。

やはり同性で似た環境にある者同士、よくわかるのだろう。

退院したばかりの智子をよく気遣ってくれる。

他人だからこそ気づいたり分かることもあるし、できることもあるのだと思う。

 

「家事・洗濯・家のことは用意されていて当たり前」と夫について言う智子に、

千さとは、感謝の「か」の字もない!と怒り出す。

どうやら自分の話にすり替えているようだ。

きっとこの人は、自分の話を聞いてほしくて訪ねてきたんだね。

 

千さとの夫には女がいたということで、離婚を考えたようだ。

旦那との共有財産は折半。
単身女性は生活に月平均15万使う。
55歳の場合、年金まで10年。

貯金の1000万の上、パートで月7万稼いだとしても、年金がもらえる10年後にはほぼ残らないという。

 

年金問題…頭がいたいですよね。

年若いほど、もらえる年齢は引き上げられる。
そして払う金額は膨れ上がり、もらえる金額は減るばかり…。

このへんの問題を考え出すと腹も立つのですが…ここではやめておくことにします。

 

さて、毎回いろいろなことを考えさせられるこのドラマ。
次も楽しみです。

 

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【原作小説】
・楽天ブックス… 三千円の使いかた (単行本) [ 原田 ひ香 ]
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