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三千円の使いかたドラマ第6話の感想…夫婦の思い込みの果て

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三千円の使いかた#6のあらすじ&感想
2023年1月からの新ドラマ
東海テレビ「三千円の使い方

第6話「退職金の使いかた」のあらすじと感想です。

ネタバレを含んでいるのでお気をつけて~。

三千円の使い方~ドラマ第6話のあらすじ

和彦(利重剛)は、妻の智子(森尾由美)が何を言ってもそっけない返事をする。
お米が届くからと言われれば、受け取るだけで、玄関の上がり口に置いたまま。

そんな一つ一つが、智子に蓄積されている。

 

12月18日は、和彦が定年を迎える日。
智子はその日を、離婚のXデーと決めた。

智子は親友の千さと(とよた真帆)の離婚が正式に決まったと聞き、自分も新しい人生を始めたいと、離婚後のお金について相談するのだった。

 

和彦の定年の日、琴子(中尾ミエ)も仕事の契約最終日だという。

美帆(葵わかな)と真帆(山崎紘菜)は、ダブルでお祝いをしようと言い、美帆は自分で料理をすると張り切る。

そこで美帆がメモ帳を探すと、母の家計簿の間に、離婚後のお金の試算をするメモがあるのを見つけてしまった。

 

真帆は、亭主改造大作戦をやろうと言うが…美帆と真帆の作戦は失敗に終わる。

琴子は、智子が普段からどれだけ気配りをして家事をこなしているのか、その大変さを和彦に話すが、感謝の言葉を言わなくてもわかると思っている和彦に、そんなのは昭和の時代の言い訳だという。

父親は家族を守るために黙って働き、つらいことがあっても表に出さない、この生き方がずっと正しいと思って何もしてこなかった、家族と一緒にいられるだけで十分だったと話す和彦に、太陽(堀井新太)は逆サプライズすることを提案する。

 

和彦と琴子のお祝いの日。
ご飯が終わって佐帆が眠ってから、大人たちは飲むことにした。

智子が和彦との離婚を切り出しかけたそのとき、和彦が自分の話を聞いてほしいと言い出した。

ポケットから紙を取り出し、読み上げる。
まるで結婚式か何かのスピーチのようだが、和彦は家族一人ひとりに向けて言葉を贈る。

美帆と真帆は毎日ものすごくよくしゃべってくれて、たまらなく可愛かった。
聞き上手な父親になりたいと思った。

それがいつしかただ聞くだけの人になり、気付いたら会話にどう加わっていいのかわからなくなっていた。
本当はもっと話したかったのだと。

そして智子に、いつも感謝していたのに、口にしてこなかったと、全て任せきりだったことを和彦は詫びた。

そして33年分の感謝の証だと、あるものを差し出したのだが…

智子は離婚するつもりだと言い、リビングから出て行った。

美帆に促されて、和彦は智子を追う。

 

和彦は二階の寝室に立てこもる智子に話しかけるが、智子はいまさら話すことは無いという。

和彦はこれまでのことを詫び、これからは自分が変わるし、智子を支えるという。
家族として一緒に生きていきたいんだと。

和彦は毎月の小遣いから、三千円を貯金してきたのだが、三千円の使いかたを考えたときに、浮かんだのは智子の顔だったという。

その貯めたお金で、ハワイ行きの航空券を買ってきた。
ハワイ島、新婚旅行に一緒に行った場所だと言う和彦。

 

智子は、プロポーズされたときのこと、子どもたちが小さかったときのことなどを思い出していた。

頼む、という和彦の声にドアは開かれた。

そして智子は呆れるように言う。
新婚旅行の場所は、ハワイ島じゃなくて、オアフ島だったと。

智子はもう一度、夫婦をやり直しましょうと言い、智子と和彦はお互いにお疲れ様を言い合った。

智子も主婦を定年退職していいと言うことかと聞くと、和彦は、これからはできることから一緒にやるという。

階段下で聞いていた家族は泣いていた。

 

小森の家に御厨家の家族が集められた。
琴子と小森(橋本淳)は、お惣菜のデリバリーを始めることにしたという。

 

翔平(葉山奨之)は美帆の家族写真を見ながら、本当に幸せな家族って感じだよねと言う。

そして僕の理想の家族を、美帆と作りたいと言うのだった。

 

6話はここまで。

三千円の使い方~ドラマ第6話の感想

今回は最大級に波乱の御厨家でした。
でもとてもいい好転っぷりで、よかった。

このドラマで初めて、お父さんが沢山喋りましたよ。

それにしても夫婦関係も大変だねぇ。

男3人で集まるご飯タイム

小森安生の家で、太陽と和彦が一緒にご飯を食べているなんて…なんだか意外だったけど、これはなかなかいいね。

この人たちは三者三様。

小森は太陽から、思ったことを全部口にすると言われるほど、よく喋る。

太陽もよく話すが、相手を気遣いながら話をする人だ。

和彦は家ではほぼしゃべらないのに、3人で居るときは案外普通に話しをしている感じで、けっこう驚いた。

3人とも立場は違うし、年齢も性格も違うけど、それでも男同士の方が話しやすいこともあるのだろう。

というより、お互いに距離が近すぎないから話しやすいのか。

3人とも、一緒に住む家族ほどは近くないし、歳も離れている。

その方がいっそ、余計な事を考えずに話ができるので、何でも言いやすいし相談もし易いのかもしれないね。

和彦のダメっぷり

美帆は父・和彦に、母・智子が作ったものを褒めるように促すけれど、和彦は、米が美味いと褒めてしまう。

智子には新米だから当然だと返され、さらには和彦が配達の米を玄関口に放置していたことを蒸し返されて、やぶ蛇になった。

真帆は、智子の好きなどら焼きを買っていこうと和彦に勧めるが…何で?とか聞く。普段やらないことが照れくさいのかな。

結果は失敗。
せっかく智子のために買ったどら焼きを、智子が買い物で帰宅する前に空腹に耐えきれず、自分で食べてしまった。

子供か…。

2つ買ったのだから、せめて1つでも智子に残しておけばいいのに…2つとも手をつけるとか、全く何を考えているんだか…。

気が利かないというより、状況を把握していない?ということじゃ…いや、
やってしまってから失敗に気づくという…

あぁそれはやはり、気が利かないということなのかな。

気の回し方って、慣れないと難しいのもわかる。私も苦手だ。
だけど、それにしても、和彦さんはツッコミどころが満載なんだよね。

和彦の実績と本音と結果

父親失格かもしれない、という和彦に太陽は、そんなことはない、お父さんはすごいと言う。

誰にも弱音を吐かずに家族を支え続けて38年も勤め上げた。

和彦は、昭和の父親像が正しいと信じて、家族のために黙って不平不満も一切言わずに働いてきたのだ。

これは本当に凄いことだと思うが、そんな和彦こそ、だれにも褒められていなかったのだ。

太陽に褒められたときには、和彦はとても感激したのじゃないかと思う。

 

和彦は真面目に働いて、仕事を終えると家に帰ってくる。

どうやら趣味なんかも無さそうで、ギャンブルなんかも一切やらないんだろう。

それでコツコツ文句言わずに働いている。
これだけでも十分、凄いことだし、家族から褒められてもいいことだと思う。

でも御厨家は女性が多いので、やはり女性側目線で物事は語られる。

和彦は家では確かに話さないし、だから相談のしようもない。

それは頼りにできない、ということにも繋がるし、そもそも場が悪くなったらそっと逃げ出していたのは、やはりよくなかったよね。

無関心だと言われても、仕方がないところだ。

 

しかしそんな和彦は、押し黙って何も言わないけれど、内には秘めた思いがちゃんとあった。

今回は、これまで何も言わなかった反動からか、心の内を洗いざらい話していた。

普段喋らない人が、ここまで話せるものかと感心すらした。

これまでの5話分話したかというほどに。
(今までセリフほぼ相槌だったよね…)

 

それにしても、和彦は若い頃にはけっこう普通に話をしていたんだ、ということにも驚いた。

智子はよく、何も話さない和彦と結婚したもんだ、とずっと不思議に思ってたんだけど、そうじゃなかったんだね。

徐々に話さなくなって、そのうち何を話したらいいのかわからなくなった…って、そんなものなのかなと思う。

和彦は真面目過ぎたのか?

人って何を信じるかで変わるし、1つ言い出せないことを黙っていると、2つ3つ言えなくなることもある。

そんな延長で、人の人生が作られていく。

なんだかなと思う。

 

でもここで和彦は、周囲の協力を得られたことと、自分が前向きに、家族と向き合おうとしたから変わることができた。

人のアドバイスを聞き入れることも、自分に受け入れる覚悟がなければできないこと。

なんかそう思うと感慨深いよね。

 

もし和彦が、サプライズしようと太陽が言ってくれたアドバイスを、恥ずかしいからと蹴っていたら…。

娘たちや母親が、和彦に助言してくれたことを、受け止めずに流していたら…。

きっと和彦は、智子に離婚されてしまっていたのかもしれない。

 

智子を説得するために、いろいろなことを智子に話した和彦は、それまでにいろいろなことを考えて、気付いたり反省したりしていたに違いない。

でないと、普段喋らない人が、あれだけ心の内を話すことなんてできないだろうと思う。

なにはともあれ、丸く収まって…どころか、より良い夫婦になれそうで、良かったことだと思う。

 

それにしても…和彦は、退職して帰宅時にカスミソウを持っていたんだけど…

あれって、職場で退職祝いに貰ったのだろうか?いくらなんてもあれはちょっと。

職場でもあまりしゃべらない、カスミソウのような存在だったのだろうか…。

智子の言い分と反省

智子はずっと、和彦に不満を持っていた。

何を言っても生返事しか帰ってこない。
何かを相談しようとしても、反応は同じ。

智子が病気をしたときでさえだ。

そんな和彦との将来を不安に思うのも、当然と言えば当然かも知れない。

 

退職後、和彦はずっと家に居るだろう。
智子は、会話もなく感謝もされないままに和彦のご飯を作り続けるのが苦だという。

和彦の仕事には定年があるけど、自分にはないことを、まるで奴隷だとまで言った。

 

智子はどんな気持ちでお祝いの会に参加していたのか、始まるときには1人、浮かない顔をしていた。

家では全く家事をやらない美帆が料理をし、それが見た目も味もよく、家族が褒めればいくら娘のことだとはいえ、素直に喜べないということもあるのではないだろうか。

しかもこの日は離婚を切り出す前提で居るわけで…。

 

でも、視点を変えれば、智子はとても恵まれている。

なに不自由なく、主婦業をしていられる。

パートに出ることもなければ、お金に困ることもない。(もちろん、智子のやり繰りあってのことだろうけど)
趣味の英会話にも通っている。

ここは和彦の大きな功績だろう。
そしてあれだけ大きな家を建てて暮らしている。

 

のちに智子は気づくのだが、楽しいことが多かったのに、自分の不満ばかりを数えるようになってしまっていたと。

でも和彦はずっと不平1つ言わず、家族のために頑張ってくれていたのにと。

和彦はそんなものだと思っていたんだけど、智子は違ったことで齟齬が生まれた。

智子は和彦から感謝されたいと思うばかりで、自分から和彦へ感謝することは頭になく、そのことに気づけなかった。

 

お互いさまだったけど、それにお互いが気づかない。

お互いが気付いて言葉にしなかったことから、すれ違いが大きくなって起きてしまったことなんだなと。

ほんの少し、見方1つ、感じ方1つが違い、不満を数えるか喜びを数えるのか…それだけで、自分も周りも大きく変わっていくものだね。

三千円の使いかた

琴子から三千円の使いかたを聞いていたのは、美帆や真帆だけではなかった。

和彦もまた、子供の頃から、母・琴子から三千円の使いかたで人生が決まると言われていたのだ。

ここでも琴子の言葉は息づいていて、そして和彦は、それをちゃんと実行し続けていた。

こういう、代々受け継がれている事柄ってなんだかいいなと思う。

 

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【原作小説】
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