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公園や遊歩道を散歩していると
たま~に、すごくいい匂いが
ただよってくることがあります。
それは…
草刈りをしたばかりの草の香り。
その名も「緑の香り」
そのまんま?って思いますけど、
これ、正式名称のようですよ。
遊歩道なんかは定期的に
植え込みの植物や樹木の整備などが
されているのですが
雑草などが繁殖してボーボーになる時期には
草刈りも行われています。
ちょうどその草刈りの後に出くわすと、
とてもいい匂いがあたり一面に漂っていて
ものすごく癒やされるのですよ。
深呼吸をしてみると、その香りと空気がとても
新鮮に感じて、すっと身体に入ってくる。
もうすごくいいかんじ^^
この香りの正体って
いったいなんなのでしょう?
草刈りのあとの匂い成分
草刈り後の匂い成分…
そんなものがあるのかと調べてみると、
ちゃんと研究されている方がいらっしゃる
ものですね。
冒頭でも書きましたけど、この匂い成分は
「緑の香り」と呼ばれるもの。
(GLVs:Green leaf volatiles)
緑の香りは、
アルコールなど揮発性化合物の総称で、
植物の葉の青臭さなどの主成分。
普通にそのへんに生えている植物の匂いを
嗅いでみても、全くそんな匂いはしない
のですが…
草をちぎって匂いをかぐと、
香りは少ないですけど、草刈りをしたときと
似たような香りはしますよね。
「緑の香り」は、植物が虫などによって
かじられたりするなど傷を受けたときに
発散されるものだとか。
なので草刈機などで大量に草を刈ったときは、
そこら中に香りが充満するのです。
緑の香り成分の効果
草を刈ったときの「緑の香り」って、
ただ草の汁が大量に発散するから香るのだと
思っていたのですが…
ただの草の香りではなかった
ということですよね。
植物って只者ではないようです。
「緑の香り」にはやはり秘密がありました。
植物には、傷を負ったときに起こす
特殊な力があったのです。
その力とは、つぎのようなもの。
・危険から身を守る
・周囲の植物に危険を知らせる
・害虫を寄せ付けない
など
植物たちは、ただ静かにされるがままに
なっているように見えますが、
植物の中ではしっかりと、生き残るための
システムが作動していたのです。
虫に齧られたり、なにかしらの傷を受けた
ときには「緑の香り」を発散し、
目には見えなくとも、それによって
仲間たちに危機を知らせ、自らは傷口を守り、
さらには虫を寄せ付けないように防衛反応を
起こしていたのです。
すごいですよね。
そしてさらにその香りで
植物の葉を食べてしまう虫たちの天敵である、
肉食の昆虫を引き寄せたりもするそうです。
植物ってすごい…!
緑の香り成分は人に優しい?
緑の香りは人が嗅いでも
「いい香り~」と感じるので、
きっと良い作用があるのでは~?
と思っていたら、やはりありました。
緑の香りを嗅ぐことで、
ストレス解消や疲労回復作用が
期待できるようです。
いいですね~。
つぎに草刈り後のあの匂いに出会えたなら、
思いっきり深呼吸して
満喫してこようと思います。
いまから楽しみ~^^
【参考】
[山口大学名誉教授:みどりの香りの生物活性]
[logmiBiz:「芝生の香りの正体」]