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女神の教室、第3話の感想…当たり前の権利の大切さに気づく

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女神の教室~リーガル青春白書~#3のあらすじ&感想
2023年1月からのドラマ
フジテレビ「女神(テミス)の教室~リーガル青春白書~

第3話のあらすじと感想です。

ネタバレを含んでいるので、苦手な方はお気をつけて~。

女神(テミス)の教室、第3話のあらすじ

実務演習の講義。

今回は「黙秘権」について、肯定派と否定派に分かれてディベートを行うことになった。
ディベートとは、テーマについて対抗する立場に分かれて議論をすること。

判定は藍井(山田裕貴)

否定派:桐矢、照井
肯定派:真中、水沢、天野

否定派と肯定派で分かれた学生たちは、双方の考えを主張し合っていた。

照井(南沙良)は相変わらず、柊木雫(北川景子)の講義に否定的。

議論が飛び交うなか黙っていた照井だったが、肯定派の発言を聞くと突然立ち上り、加害者への苛立ちを見せたのだった。

 

藍井の判定は、否定派が勝利。

次回は、肯定派・否定派を入れ替えて同じテーマで行う。

照井は不満そうだが、雫はいろいろな視点を持つことが大切だという。

 

桐矢は1人でで黙秘権について調べる。

加害者擁護になることはしたくない、という理由から照井は協力的ではないため、実質、肯定派は桐矢1人で黙秘権について弁論することになる。

 

談話室で水沢と天野が楽しそうに話しているところを目撃した桐矢は、そんな天野が気になって仕方がない。

雫は桐矢が暗い教室で1人でいたことに気づき、声をかけると、プライベートの相談をしたいと言う桐矢。

雫は、弁護士の安藤とともに桐矢と食事をしながら話しをする。

雫は桐矢と照井を連れて、一緒に公判を見に行くことになった。

実際の公判を見ると、桐矢が思っていた検事のイメージとは違っていたようだ。

検事が裁判に勝てば、被告人は一生犯罪者として生きることになる。
その検事の責任は重い。

横溝検事は雫と同じロースクール出身の同期である。

横溝検事は言う。
向こう側に弁護人がいて、お互いに本気で戦って出した答えなら、かぎりなく真実に近いのだと思える。
検事と弁護人は、敵であり味方だと。

 

夜、談話室で桐矢が黙秘権について調べていたところへ照井が来た。

横溝検事の言葉に感動した桐矢は、ディベートにもやる気を見せ、自分ひとりでやってみるという。

一度は帰りかける照井だったが、一緒にディベートの準備をすることにした。

 

黙秘権についてのディベートの日、
桐矢が弁論する。

検察官と弁護人は、法律という武器を持って戦うことができるが、被告人にも黙秘権という武器を与えるべき。

そして黙秘権は、加害者を擁護するだけではなく、法律家を犯罪者にしないために必要な権利だ、と結論付けた。

藍井の判定は、肯定派の勝利。
肯定派の意見が理にかなっていたと。

天野が雫の意見を聞くと雫は、
黙秘権は必要だと思っている、と。

個人の内面に国家権力が強制的に入り込むことは許されないこと。個人が何を思っても自由で、これを国家権力が侵してはならないという考えを正しいと思っている。

すると照井は、藍井は黙秘権についてどう思っているのかと聞いた。

藍井は憲法第19条を持ち出して言う。
思想及び良心の自由はこれを侵してはならない。黙秘権は、内面の自由を保証するために必要な権利だと。

そして…見解については、柊木先生の意見に全面的に同意する、と。

 

3話目はここまで。

女神(テミス)の教室、第3話の感想

3話目になり、登場人物一人ひとりが見えてきた。

照井は何かを抱え、真中(高橋文哉)はおそらく焦りを持っている。

水沢と天野は急接近しており、それを桐矢がモヤモヤしながら見ている。

その桐矢は今回、とても成長を見せた。

そして藍井と雫。

このドラマは司法試験へ向けている。
最終的に受かる人と落ちる人が出てくるわけだけど…どうなるのやら。

ツンツン娘の照井は何かを抱えている

加害側に対して強い非難を見せる照井は、被害者側の当事者としてのなにかがあるみたい。

検事になりたいという目的も、きっとそこにあるのでしょう。

 

照井は雫らとともに公判を見に行ったあとにも、雫に対して反抗的。

人の話の聞く耳を持たず、自分で解釈して自分で納得する。

照井には心の余裕がないようで、四六時中張り詰めていて、どこか怒りを抱えている。

人との壁を作り、周りと関わりを持たないようにしているかのようで、誰にも気を許さず打ち解けない。

司法試験には必ず合格しなければという焦りもあるように見える。(これは当然と言えば当然なんだけど)

周りとゆるく付き合っている暇はないと、周りを半ば見下すことでバランスを得ているのではと思う。

 

そんな照井だが、桐矢との交流と、横溝の現場の話から照井にも変化があった。

「私も向こう側の視点知ってみるだけならいいかなって」

この照井に検事になろうと思わせたのは何なのだろう。

 

刑事の風見(尾上松也)が持ち込んだ事件も気になる。

「令和4年9月19日の東京地方裁判所
強制わいせつ被告事件」
被告人は無罪で、被害者は当時17歳で自殺している。

この被害者と照井は何らかの接点があるのだろうか。

桐矢の優しさと自信

桐矢が検事になりたいと思った動機は、テレビで見た検事がかっこよく、言葉で戦えるのがいいなと思ったからだという。

桐矢が持つ検事のイメージは、被告人を問い詰めるような派手なものだった。

実際の公判を見てみると、検事は意外と地味だったことを知るのだが、検事になりたいという意志は変わらない。

むしろ、本当になりたいと思うようになったらしい。

 

桐矢は基本的に優しい。

学生らが雫に否定的なときなどは、雫に声をかけてフォローしてくれる。

桐矢は要領が悪いと自分で自覚している。
けれども変えられないでいることを、照井はズケズケときつい言葉で投げかける。

しかしこれを受け止めて、かつ、照井のことを気にかけたり、照井の立場ならどうなのか、ということも考えることができる。

この桐矢が検事になれば、加害者を問い詰め攻撃するのではなく、横溝検事のように、寄り添う形で真実へ導いてくれるのではと思う。

 

黙秘権についてのディベートが終わると、桐矢はみんなの前で雫に話す。

どうしたら検事になれるのか、と。

これまで桐矢は、検事になりたいとみんなの前では言わなかった。
自信がなかったからからだ。

しかし桐矢は変わった。
今回のことで、桐矢の思いは強くなったのだった。

 

なりたいという思いが弱いよりは強いほうがいい。
なりたいという思いが強ければ、行動に結び付けられるから。

桐矢のような人には、思いを貫いてほしいと思う。

 

一方で桐矢は、天野が水沢と仲が良いことにモヤモヤしていた。

気になって仕方がないので雫と安藤に相談すると「恋だね」と言われる。

桐矢は水沢に、天野をどう思っているのかと聞くのだったが、水沢は黙秘権を行使すると言う…。

なかなかいい使い方だね、水沢くん。
恋に破れるのは仕方がないよね、桐矢くん。

諦めなければ叶う…?

公判で横溝検事は、被告人に犯行時の感情を聞き出そうとしていた。
被告人はそのとき、何を思っていたのか。

そして横溝は「あなたの裁判なんだよ」と被告人に言う。

 

横溝検事のように、被告人について考えてくれる検事ばかりならいいけれど、誰しもがこんな人ではないのだろうと思う。

日本の刑事事件の有罪率は99.9%、と言う話がよく出てくるけれど、それって冤罪なんかもけっこう含んでいるんだろうと想像できる。

それを考えるとおそろしいよね。
疑われればおしまい、みたいなことなのだから。

 

雫のそばにいる人達は皆、理想的な法律家だと思う。

理想的すぎる。
理想がすぎると、綺麗事になってしまう。

実際はどうなのか知らないけれど、件数が多いために忙殺されるなかで数をこなしていかなければならないのだとしたら、1人ひとりにしっかり向き合うということはかなり難しいはず。

それはどこかで妥協する、しなければ回らない、ということになるし、そうなれば真実からは程遠い結果となるということもあるよね…と思う。

 

横溝は雫と同じく、青南ロースクールでは成績が悪かったという。
卒業に4年かかったけど、今があるのは諦めなかったからだという雫。

しかしこれは、諦めなければ希望は叶うという話ではない。

横溝だから受かった、ということがもちろんあるはず。

諦めずに継続していれば受かる、と言い切ってしまうことは些か軽くはないか…と思った。

 

2話のローの卒業生・田辺は、30歳まで諦めずにいたが、倒れて入院したことで諦めた。

もし最後の一回、受けていればどうなっていたのか定かではないんだけれど、継続していても夢破れる人は大勢いる。

それは司法試験は無期限ではなく、受験の制限があるために、受かるまで継続するということができないからだ。

厳しい現実…。

真中は賢そうだが問題もあり

今回は真中の家族がちらっと登場。

妹が就活をしている。
まだ学生やってたいな~という妹に、父親は、いつまで親のすねをかじる気だ、と苦笑い。

これはきっと、真中にはつらい。

妹が先に就職し、兄である自分は学生。
きっと司法試験に落ちて浪人するなんて、真中にはできないのだろう。

焦りが他の学生へ向く。
ディベートで一緒の2人を、足手まといだとひとりごちる真中。

内申書の成績を上げることを目当てに、周囲と打ち解けているように振る舞ったり、照井以外を下に見ているというふうがちらほら見える。

家では家族に引け目を感じているけれど、学校ではそれを感じさせない。

 

前回の水沢と天野の話のように、誰もが何かしらを抱えているということだよね。

雫と藍井の距離

実務を知ることが大事だと考えている雫と、司法試験に受かることだけを効率的にやるべきだと考える藍井は正反対。

藍井はいつも雫のやることを無駄だと呆れ、その言動を少々煙たがっている。

雫はそんな藍井を気にしてはいるが、学生たちから一目置かれている藍井をときおり利用しているところもある。

 

そんな2人だが、今回は藍井が雫を認めるシーンがあった。

黙秘権についての見解。

照井に意見を聞かれた藍井は、
見解については、柊木先生の意見に全面的に同意する。

と言ったのだ。

言いたくなければこの一言を言わなくても済んだはず…と思うが、それをわざわざ言うことに、藍井としては意味があったのだと思う。

藍井は雫をちょっと小馬鹿にしている部分があったものの、この見解には感心したのだろう。

そういう意味で、その点では藍井は雫を認めたのだろうと思う。

藍井は意外と素直なんだろうな…。

当たり前にある権利とは?

藍井は黙秘権について、当たり前の権利について考えることについては無駄、と言い切るが…

これについて学院長の守宮(及川光博)は、
当たり前にあるものを何も考えずに使うのと、意味まで理解した上で使うのは雲泥の差がある、と言っている。

 

「当たり前にある権利」

これを知って考えることについて、まったく無駄ではないし、むしろ国民全員が知るべきものだと思う。

これが当たり前にあるということの凄さ・大切さを、当たり前だと思うことによって薄っぺらく感じるようになるんじゃないかと思う。

これを当たり前と思わず、大切なものだと改めて意識することで、捉え方は違ってくるんじゃないか。

実際問題、憲法が改悪されようとしている近年、その当たり前の権利について知らなければ、それを失う危機に面したとき、それがどれだけ重要で大切なものなのか、無くなるとどういう問題が起きるのか、ということも認識できない。今回出ている憲法第19条についても然り。

わざわざ意識するということで、その重さは変わるのではないかと思う。

 

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