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2023年1月からのドラマ
フジテレビ「女神(テミス)の教室~リーガル青春白書~」
第9話のあらすじと感想です。
ネタバレを含んでいるので、苦手な方はお気をつけて~。
女神(テミス)の教室、第9話のあらすじ
風見が停職処分になったと聞いた雫は、風見に電話した。
風見は松下を見張っていたことを感づかれ、生徒にストーカーをしていると警察に通報されたのだという。
人気塾講師の松下隼人は、以前風見が担当した事件の被告人であった人物だ。
風見の警察の誤解は解けたが、捜査を続けていたことが問題になり、1カ月の停職処分になった。
5人の学生たちが、風見がストーカー刑事としてネット記事に出ていると雫のところにやってきた。
雫は誤解であることを話し、事件についてのファイルを差し出した。
これを天野と照井が見る。
2021年8月、塾講師として勤務していた松下勇人は、当時17歳の白石杏奈に対し、わいせつ行為に及んだとして起訴されたが、松下は容疑を否認。
被害者である白石杏奈は、証人として証言を予定していた公判の前日に自殺。
東京地方裁判所は証拠不十分として、松下隼人被告に無罪判決を下した。
風見がこの事件にこだわるのはよほどのことだが、風見は津山のときも強い言葉で牽制していた。
雫は風見に話をしてみると言うと、藍井が自分も同行していいかと聞く。
風見は法の力で罰せられない松下を野放しにはできないという。
風見の妹は高校生の頃、同じような目に遭っていた。
相手は学校の先輩で場所は部室、妹は恐怖のあまり声を出せなかった。
その後、妹は精神を病み、声を出すことができなくなり、今も入退院を繰り返している。
天野と照井は事件についてそれぞれ調べていた。
天野はネットの掲示板に当時の書き込みが残っていたのを見つけると、誹謗中傷のなか、名前や顔写真も晒されていたことがわかった。
2人は雫に、次の実務の授業で取り上げてもらえないかという。
実務演習の授業。
判例と判決文を下に、雫が知り得る情報をまとめた。
これをもとに無罪判決が正しいのかどうかをみんなで考える。
被害者が自殺して法廷で証言できていないこと、捉え方によって見え方が変わる状況では、真相はわからない。
雫は、やっていないことを人に認めさせるのはとても難しい。
だから、疑わしきは被告人の利益に。
この原則が必要だという。
冤罪は絶対にあってはならない人権侵害だけど、冤罪は真犯人を取り逃がすことにもなる。
真犯人を見つけ出すのは捜査機関することで、刑事裁判の目的は冤罪の防止。
自分は正しいという思い込みが冤罪を生んでいる。
だから裁判には検事がいて弁護士がいて、裁判官がいる。
それぞれが役割を全うし、それぞれを信じて力を合わせることで、ようやく真実に近づけることを皆にも自覚してほしいと。
天野はそれでも納得がいかない様子だ。
翠明大学附属病院。
病室で風見は妹に話しかけるが反応はなく、風見が帰る後ろ姿をうつろげに見ていた。
風見が駐車場に行くと藍井が声をかけた。
津山邦彦のことだ。
津山は生前、法律の予備校に通っており、亡くなる直前に来期の講座の申込みを行っていた。
SNSに津山が最後にアップした画像は、この病院。
風見はこれを見たとき、津山がこれからも法では罰せられない嫌がらせを続け、それが自分の妹に及ぶかもしれないと考えた。
そして今、風見は執拗に無罪になった松下を追い、罪に問えない犯罪を憎んでいる。
藍井は津山の死に、風見が関係してるのではないかと聞く。
照井は天野の様子が気になり話しかける。
天野は雫の言ってる意味も、納得すべきことだということもよく分かっている。
しかし皆のように自分の目的を見つけることができないでいる天野は、何のために司法試験の勉強をしているんだろう、と思い悩んでいた。
風見から雫に電話が入った。
信頼できる弁護士を紹介してほしいという。
天野がネット記事を雫に見せた。
白石杏奈の母親が逮捕されたという。
学習塾の構内に無断で押し入り、塾講師を誹謗中傷するビラを撒いたのだ。
何で加害者側が無罪で、被害者の母親が逮捕されなければいけないのか、と納得できない天野は、雫は割り切れるのかと問う。
雫の研究室に藍井が来た。
雫は被害者学に詳しくないかと藍井に聞くが、興味ないと一蹴。
天野に言われたことに何て言ってあげたらいいのか困った雫は、専門ではない自分がどこまで教えてあげられるのかと話す。
しかし藍井は、余計なことを考えるよう教えてきたのはあなただと、自分が巻いた種だと言って藍井は退出する。
そして部屋の前で立ち止まり、持参した文章を藍井は見つめて…迷い…自室に戻った。
雫は自室の床で大の字になって考える…。
談話室に満面の笑みで雫がやってきた。
行かない?課外授業。
雫と5人の学生たちは、安藤麻里絵(佐藤仁美)の事務所にやってきた。
打ち合わせに同席することを了承してもらえたから、見学させてもらおうという雫。
麻里絵と白石杏奈の母・小百合が来た。
どうにか勾留されずに済んだが、これから検察官が起訴をするかどうかを決めるために、まず反省の意思を示す必要がある。
これには納得がいかない小百合だが、起訴されれば裁判になるがそれを避けるためにも必要なことだ。
あの講師が犯罪者なのは本当のことで、小百合はひとりでも多くの人に知らせたかった。
しかし小百合がしたことは犯罪だ。
それは本人もわかっているが、自分の娘は亡くなっているのに、松下は当たり前のように講師を続けていることに納得できない。
天野もおかしいと思うと声を上げた。
被害者の遺族を、なぜ加害者として扱っているのかと。
それで気が済んだのかと天野に言う麻里絵。
そのまま裁判になれば有罪になって前科も付くが、小百合の人生はこれからも続く。
自暴自棄になってはいけない。
まずは加害者としてのあなたを救い、その後、小百合が望むなら、事件の被害者として、自分も共に全力で戦うつもりだという。
小百合は納得して帰っていった。
同情して寄り添おうとするのはいいことだけど、弁護士になったら現実を見据えて、依頼者のためになることは何なのかを考えて行動していく。
弁護士が寄り添うというのは、一緒に戦うことだと麻里絵は言う。
犯罪被害者の支援は、越えなければいけないハードルがたくさんあるという雫は、被害者学について話す。
犯罪被害者とどう向き合うのか、どう支援できるのかということを研究している分野だ。
被害者に同情するだけじゃなく、ちゃんと力になれる弁護士になりたい、という天野に雫は、あとは任せたと被害者学の専門書を渡した。
夜、松下をつける風見。
風見は学習塾の生徒から話を聞いていた。
涙ながらに被害を訴える女子生徒。
風見は松下のすぐ後ろに迫るが、それを取り押さえる影があり、松下は逃げ出した。
もみ合う2人、風見は相手を突き飛ばすと同時に刺してしまい、相手は膝から崩れて倒れた。
教務主任の池崎が、慌てて雫の研究室に来た。
9話はここまで。
女神(テミス)の教室、第9話の感想
今回は怒涛の展開で…
意外なことが次々と起きました。
藍井の意識の変化と意外な行動。
風見の行き過ぎた正義…。
この2人が関わること自体が意外だった。
で、最後のシーン…
え、、、ってなったわ。
衝撃過ぎた。
藍井が刺されるって…。
学生たちの藍井へのイメージ
実務演習の授業を藍井が欠席することについて、何か予定があるみたいと雫が言ったときの学生たち。
藍井に「予定がある」ということ自体に意外性を感じていた。
確かに全く想像がつかない。
プライベート謎すぎる、と言われていたね。
藍井いじり面白い。
藍井は何に対してもあまり興味を持たず、仕事に関することのみに日々を費やしている感じだからね。
ほんと、藍井は休日とか何やってんだろ。
きっと学校に居るときと同じように、何か書籍を読んで、空腹になるとなにかをつまんで過ごしている…
ゼリー状の栄養ドリンク?もちょいちょい飲んでいるよね。
というか、自宅に居る想像がつかない。
自分の研究室にデカいスピーカー持ち込んでるし。
ほぼほぼ、学校に居るんじゃ…。
津山邦彦の死の真相とは…?
津山がSNSに上げていた病院の写真は、風見への宣戦布告だったのか…それとも。
最後に上げていた病院の写真に何があるのか、という謎がここに来てようやく出てきた。
藍井の推測どおりならば、津山が風見に強く言われたことの仕返しに、風見の妹をターゲットにするという犯行予告だ。
これまで上げられた写真からしても、その推測が合っているように思う。
違う見方をすれば、あの競技場での話し合いの後に、風見が執拗に津山を付け狙うようなことがあったから、津山が自分の身の危険を感じて、風見に関係する場所をメッセージとして、病院の写真を上げたのかもしれないが…
この場合、風見としても無闇に付け狙って襲うようなことはしないだろうから、付けて探るうちに、やっぱり津山は危険だと風見は判断して追い込んだということになるし。
どちらにしても、津山はやはり反省はしていなかった、と考えられるのだろうね。
当初は、津山が自殺した目的が、自分が死ぬことで雫への恨みを晴らすということかと思っていたけど、ここは違うということになるよね。
少なくとも、津山は引き続き予備校へ行くつもりだった。
これを藍井が確認しているのだから、死ぬつもりはなく、生きるつもりだったことは明らかだ。
ならばやはり、あの病院の写真をアップしたのは、風見への嫌がらせなんだろう…。
藍井の推測通り、風見はやはり疑われても仕方がないのかも。
最後のシーンで、松下に対してのあの行動なのだから、津山に対しても同じことをしていてもおかしくはない。
妹を守るという風見なりの正義感の下で。
それにしても津山が亡くなったとき、警察は津山が、予備校へ通っていた事や来期の講座の申込みを行っていた事実を調べているのではないのだろうか。
調べなかったのか…それとも大したことではないと判断されたのか…
まさか風見がその情報を握りつぶしたとか…自分で処理したとか…。
人は正義の名のもとにどこまで人道に反することができるのだろう。
藍井仁の疑問と戸惑いと行動の変化
藍井が「津山邦彦の自殺と塾講師松下隼人事件の考察」という文章を作っていた。
なんで自分が…って、自分の変化に戸惑い、疑問をもちながら。
でも作り上げて、雫に持って行ったんだけど、雫に言った自分の言葉が自分に返ったのだろうね。
「余計なことを考えるよう教えてきたのはあなたでしょう。」
藍井が作った文章も、まさに
「余計なこと」
それに気付いて藍井は、雫に渡さずに出てきてしまった。
今回藍井は、津山の死に不信を抱き、そして風見の異常な執着に興味と違和感をもったのだろう。
それにしても、だからといって風見に直接話に行くとは思わなかった。
これまでの藍井からは考えられない積極的な行動。
人のことを気にして首を突っ込むという、
これまで藍井が毛嫌いしていたこと。
雫と学生たちを見てきた藍井に、これほどの変化があるなんて。
雫に付いていくときに、0.01%の無罪判決に興味があると言っていたけど、藍井の興味はそこじゃなかった。
津山の件がある。
そして風見の執拗な言動。
藍井は犯罪の懸念を持ちながら、自分とは正反対の人間にも興味があったのかな。
風見と会ったとき、じっと風見を見ていた。
藍井は興味がある人間はじっと見つめる癖がある。
この人は正義感とかとは無縁に思えるけど、自分の興味にはまっすぐに正直だと思う。
そして法律家として、犯罪は犯罪として見逃せなかったのかも。
いや、ここは人としてなのか…?
だから松下を見張って付け狙う風見を、そのまま放置して犯罪者にするわけにもいかず…自分で阻止しようとしたのか。
それほど藍井には、風見の執着が異様に思えたんだね。
いや、じっさい異様か。
それにしても、そもそも普段からきっと運動なんてしていないだろう藍井。
冷静に考えると、バリバリの現役の刑事である風見を止められるはずはない…と考えそうなものだけど…。
そんなこともどうでもいいくらいに、風見が切羽詰まっている状況だと藍井は見抜いたのか。
あの夜に風見を見張っていたということはそういうことで、いざとなれば自分が風見を止めなければならないと思ったんだよね。
藍井先生はいい人だ。
きっと無事で居るだろうけど、復帰したら皆ほめたげて。
まかれたビラの写真をそのまま載せるネット記事
白石小百合が逮捕されたというネット記事には「実際にまかれたビラ」って、ビラの写真をそのまま載せられていた。
松下の顔写真も名前も、そのまんま出てた。
実際にこれをやると、まずいよね…!?
これが拡散されると、白石のお母さんの目的はしっかり果たされたことになるね。
ひとりでも多くの人に松下の悪事を知らせたかったと言っていたから。
にしても、ビラをまくよりよほど拡散してしまったネット記事。
案外、無罪判決を不審に思っていたからわざとやってたりしてね。
いや、でもこれは現実だったらやばい。
照井、桐矢、真中、水沢、天野、それぞれが目指す道
照井と桐矢は検事。
桐矢は真実を暴くことが検事の役割だと言って息巻いている。
真中と水沢は弁護士で、それぞれにどんな弁護士になりたいのかという目的が明確になっている。
それぞれが自分のやりたいことや適正を見つけていくなかで、天野は自分のなかで消化できないことが明るみに出て、余計に法律家になることを悩んでしまっていた。
でも最終的に目標が見つかってよかった。
被害者に同情するだけじゃなく、ちゃんと力になれる弁護士になりたい、と天野は思い、決めた。
すごく向日葵ちゃんらしい。
皆それぞれ自分のやりたいこと、実現したいことがハッキリしてきて、司法試験のその先を見据えられるようになってきた。
法律家といっても、いろいろあるんだなと思った。
在学中に、自分がそこを巣立ったらどうなりたい、どうありたいのかということを明確に決められるというのは、とても凄いことだし、いいことだ。
なかなかそれができずにいる場合も多いのだからね。
いやぁ…いいドラマだ。
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