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2023年1月からのドラマ
カンテレ「罠の戦争」
第2話のあらすじと感想です。
あらすじと感想にはネタバレを含んでいるので、ご注意を。
罠の戦争、第2話あらすじ
釈明会見で犬飼大臣(本田博太郎)が読み上げた原稿は、すり替えられたものだった。
釈明どころか被害者を非難するような内容を読み上げた犬飼は、民政党の鶴巻幹事長(岸部一徳)から呼び出しを受けた。
政策秘書の虻川(田口浩正)は、誰かが自分を嵌めようとして原稿をすり替えたのではと勘ぐる。
虻川は犬飼大臣の金庫番。
大臣もわからない金の流れを全て把握しているため、大臣は虻川を切れない。
虻川は、全てを自分の手帳に書き込んでいた。
第一秘書の鷲津は、私設秘書の蛍原(小野花梨)と新人秘書の蛯沢(杉野遥亮)に、犬飼大臣を潰すため、まず虻川を排除すると言うのだった。
鷲津は虻川に、新人の蛯沢に仕事を教えてやってもらえないか、と頼む。
翌日蛯沢は、虻川とともにネギ農家の蟹江の畑を尋ねたが、蛯沢に畑を手伝うように言いつけると、虻川は車で去って行った。
鷲津は息子の泰生(白鳥晴都)が歩道橋から突き落とされた件について調べていたが、つけていた虻川はその行動を犬飼に言いつける。
鷲津は、古くからの仲であり警視庁に”つて”のある鷹野議員(小澤征悦)に、泰生の事件の捜査状況について調べて欲しいと頼んだ。
農協主催のバーベキューで鷲津は、地元建築会社社長が犬飼大臣の息子で秘書の俊介(玉城裕規)に封筒を手渡している現場を目撃し、写真を撮った。
そして週刊誌の記者である熊谷(宮澤エマ)に連絡し、待ち合わせを約束したのだ。
これを見ていた虻川は、第二秘書・貝沼(坂口涼太郎)に鷲津を見張るよう指示した。
虻川は犬飼大臣を呼び、鷲津が熊谷記者に写真を渡す現場を押さえて、鷲津を問い詰めるのだったが…
鷲津が記者に渡していたのは、犬飼の指示で用意したという他議員のスキャンダル写真だった。
熊谷記者は、犬飼大臣の得になるだけだとして週刊誌への掲載を断ったのだが…虻川に対して告げた。
いざとなったら犬飼大臣を潰せるネタがある、と虻川が編集長に売り込んだと聞いた、と。
鷲津は熊谷記者に協力してもらい、虻川を罠に嵌めたのだった。
鷲津の妻・可南子(井川遥)は、虻川が泰生の事件について何か知っているのではないかと、自分も何か協力したいと鷲津に言う。
犬飼事務所で鷲津は、虻川が週刊誌に大臣のネタを売ろうとしていたと話す。
犬飼の息子・俊介を大臣秘書官にしたのが面白くなかったのかも、と。
これを貝沼は、虻川に報告する。
虻川からの着信を無視し続ける鷲津に苛立った虻川は、鷲津の自宅まで押しかける。
しかし鷲津の妻・可南子とともに居たのは熊谷記者だった。
虻川が可南子に吐いた暴言から、熊谷記者は、鷲津の息子の転落は事故ではなく事件だったのか、と虻川を問い詰める。
パワハラ秘書の虻川と転落事件について、週刊誌に記事が出た。
官邸に呼ばれる犬飼。
竜崎総理は犬飼に、転落事件についてきちんと処理するように、と念を押し、鶴巻幹事長を見る。
熊谷記者は、可南子が泰生の事件について話すライブ配信をする。
悪態をつきながら歩く虻川は、若者と肩がぶつかり、その若者に暴行を加えたことで警察沙汰になった。
翌朝、警察署に迎えに来たのは鷲津。
そこへ犬飼大臣が到着し、鷲津は裏帳簿である虻川の手帳を犬飼に渡すのだった。
手帳は、虻川が事務所の倉庫代わりにネギ農家の蟹江から借りていた倉庫に置いてあったという。
虻川はその場で犬飼からクビを言い渡された。
鷲津から頼まれていた転落事件について鷹野議員は、警察は事故で捜査をしていたこと、上から圧力があったこと、当日の泰生を覚えていた人が居たことを話した。
2話目はここまで。
罠の戦争、第2話感想
今回は、犬飼大臣を潰すために、政策秘書である虻川を追い詰める話。
なんかこの手のドラマは見ていてヒヤヒヤするのですが、イヤな人物が打ち負かされるのは、見ていてすっきりするのですよね。
その半面、いろんな事情や人間模様などを見ると、単純な勧善懲悪でないところから、やはりどこかもやもや感は残るのです。
これって、社会に巣食ういろんなしがらみみたいなものが一掃されないと、完全には消えないものなのかもな…とも思うのですよね。
犬飼大臣の日和見日より
犬飼大臣が読み上げた原稿、事前チェックして安心していたとしても、読む直前に目を通せばわかりそうなものなのに。
そのまま読んでしまう素直さ?
というより、犬飼は会見の場ではあまり余裕がないのかもしれないけれど、
しかしこれで、本当に人に丸投げで何も考えていないというのがよく分かる一件。
渡す前に何故チェックしなかったのかと、虻川をなじるのだが…
渡されたときに自分でも確認しなさいよ、と思うよね。
それは信頼しきっていることの証でもあるのだけれど。
犬飼は鷲津の息子・泰生の一件で、鷲津が自分の指示に従ったことを買っているようで、虻川の言葉よりも、鷲津の言うことを信じている。
犬飼ってけっこう日和見なんだよね。
都合のいいほうの味方につく。
部下に対してもこうなのだから、上に対しては尚更そうなのでしょう。
犬飼は鶴巻幹事長が怖い。
そして、総理の竜崎が怖い。
犬飼を見ていると、人に言われたことを素直に信じるクセがあるみたい。
鷲津が泰生の事件について調べていることを知ると、鷲津に理由を聞くんだけど、通報者に親としてお礼が言いたいという鷲津の言葉を信じる犬飼。
もっともらしい理由なので信じたのもわかるけど、ちょいちょいこんなところがある。
そんな犬飼を見ていると、けっこう普通の人っぽくて人間らしいなと思うのでした。
農協主催のバーベキュー。
犬飼は、有権者の前では調子のいいことを言うが、しかし裏では、個人の陳情はろくなものがない、となじる。
その陳情に応じる言葉は
「善処します」
この言葉は都合がいいのだという。
当たり障りのない言葉で、人当たりが良さそうに見せる犬飼は、世渡り上手といったところか。
しかし無理なものは無理、と言う方が逆に親切だ。
期待させているのは自分なのに、人が勝手に期待したのだという犬飼は確信犯。
こんな態度が、蛯沢の兄を期待させ、あげくに無理をしすぎて過労死にまで追い込んだ。
犬飼のような政治家を信じたのが愚かなのかとも思うけれど、人の期待をわかっていて偽る犬飼も、罪深いのではないかと思う。
官邸に呼び出された犬飼は、転落事件について竜崎総理に念を押される。
これは、竜崎もこの件に噛んでるっぽいね。
犬飼も、竜崎や鶴巻から見ればただの下っ端の1人に過ぎず、上からの指示に従うだけのただのコマ。
こういう構図を見ると、ほんといやになる。
犬飼は「隠蔽した」と言われるのが、どうもとてもイヤみたい。
自分は悪いことをしていない。
自分は悪い人間ではないし、むしろいい人だと思っているし、人からもそう思われたい。
多くの人が(私も含めて)そうなんじゃないかと思う。
犬飼の言動を見ていると日和見だけれど、1人の人物として一貫しているように見える。
そう見えるのは、脚本の後藤法子さんはもちろんのこと、演じる本田博太郎さんのうまさなんだろうと思う。
鷲津と虻川の本質
虻川をちょっと褒めてその気にさせる鷲津は、人を動かすのがとても上手い。
虻川さん、地元の人達の付き合い方とか上手だから、と褒める鷲津に、虻川はまんざらでもなく笑顔で応えていた。
虻川に一から秘書の仕事を教えてもらったという鷲津。
虻川は秘書として優秀なのかもしれないが、よくないことも教わったのではないかな…と思うよね。
けれども、よくない面は見習わないであろう鷲津の真面目な仕事ぶりは、やはり鷲津の分別なのか。
同じことを教えてもらっても、
人によって良くもなり悪くもなる。
それは人の本質が出るのかなと思う。
第二秘書の貝沼などは、虻川と仲がいいため、指示されればなんでもやりそうなのだが…
人の本質があって、その上に知識や経験が上乗せされるから、虻川のような人物からものごとを教わったとしても、虻川のような仕事をする人間になるわけではない。
だとすれば、その人物が形成されてから後のことは、その人に依るということになる。
20年もの間、虻川に染まらずに来たのはすごいことだが、今回、虻川を追い詰めるために仕掛けた罠は見事なもので、まんまと虻川と犬飼は、鷲津に嵌められた。
通常なら人を追い込んで陥れるようなことはしないだろう鷲津も、息子のことでブチ切れている。
鷲津は正しくあろうとする人間だと思うけど、自分たちが追い込まれれば別ということだ。
虻川のオモテウラと思い上がり
ネギ農家の蟹江さんに声をかける直前には嫌そうな顔なんだけど(普段からこういう表情なのか…)、声をかける時にはニッコニコ。
しかし年上の蟹江さんにタメ口。
年上でも友達のように話す人は居るけれど、それはその人のキャラだったりするから、そうでない人がやるとただの感じの悪い人になっちゃうんだよね。
虻川はどちらなのか…。
ネギ農家の蟹江さんが言うには
「あいつは畑仕事なんてしない」
虻川本人は気付いていないと思うけど、
虻川の外面は見透かされている。
いざとなったら犬飼大臣を潰せるネタがあると編集長に売り込んだ…というのは、熊谷記者の嘘だと思っていたんだけど、どうやら本当のことらしい。
虻川が犬飼にその場のノリのジョークだと謝っているので、ジョークにしても本当に言っていたのだろう。
そこに犬飼に対する虻川の態度が見える。
虻川は、蛍原のパワハラ問題も原稿のすり替えも、鷲津がやったことだと憤るが、
パワハラ問題はそもそも自分のやったことが原因で、それが問題だということに虻川は気が付かない。
虻川は何かがあると人のせいだと思い、自分の言動に反省するということがないようだ。
大臣の知らない金の流れを全部把握しているという虻川は、これにあぐらをかき、何をしても見逃される、もしくは自分は賢くて偉いのだとでも思っているのだろう。
裏帳簿がある限り、大臣は自分をクビにできない、と鷲津に掴みかかる虻川。
鷲津が、弱い者の痛みをせめて想像くらいしてみろと虻川に言うのだが…
こういう人は、自分がどん底まで落ちないと、そこまで考えることもないのかな。
蛍原から「悔しくてムカついて寝れない夜が何度あったか」と言われた虻川は、
「俺が何したよ」と。
蛍原は
「救いようがない、自覚のないクズ」と
虻川に言っている。
的確な言葉だなと思った。
ここまで面と向かって言われれば、
虻川もさすがに何故なのかと考えるだろう。
虻川の本質が思慮深かったり、いい人であったなら、結果は違っていたはず。
議員会館の事務員・子鹿さん
鷲津が衆議院議員会館の事務員・子鹿さんに頼んで鍵屋さんを連れてくるのは驚いた。
けっこう堂々と虻川の机の鍵を開けるって…大丈夫なの?と思った。
この子鹿さんはタメ口だったので、鷲津とは仲がいいのかもしれない。
虻川に聞かれてもきっと応えないだろう。
なんかこの人は気になる。
それにしても、虻川の机を探ったあとには鍵屋さんいなかったけど…どうしたのかな。
植物大好き蛯沢くんの活躍
蛯沢には兄が居たが、過労で亡くなった。
蛯沢はその死を、陳情を聞かなかった犬飼のせいだと思っている。
陳情は無視するのに、死んだ兄にパーティーの招待状が届いたことに腹を立て、その腹いせに犬飼に生卵を投げつけようとしたのだった。
鷲津に事務所へ誘われて来たのは、近くにいれば一矢報いることができるかも知れないと思ったからのようだ。
しかし議員に何かを訴えたからといって、聞いてもらえるなんて期待するのもどうなのかと思う。期待したいのはわかるけれども。
「善処します」
この言葉はどうとでも受け取れる言葉。
犬飼はこれをイエスでもノーでもない都合のいい言葉として使っている。
このことをバーベキュー会場で聞いた蛯沢は、兄のことを思い出し、その怒りをパイプ椅子にぶつけてしまう。
ますます犬飼潰しに力を注ぎたくなったのか、友達まで動員した。
虻川から暴力を受けた相手は、蛯沢の友達だった。
地元のやんちゃな友達が協力してくれたというけれど…。
でもそれっていけないなぁ…なんて思ったものの、この友達がやったことは、肩をぶつけたことと、虻川に悪態を付いたこと。
手を出してきたのは、虻川のほうだ。
「俺を誰だと思ってる…」と。
知らんがな。横暴な人の典型だ。
蛯沢の友達がきっかけを作ったにしても、虻川は自分の素行から墓穴を掘ったのだ。
裏帳簿を見つけたのも蛯沢。
ネギ農家の人に、虻川は普段何をやっているのかと聞いたところ、倉庫を借りていることがわかった。
なかなか活躍しだした蛯沢くん。
このドラマ、やっぱ面白いわ。
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