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2023年1月からのドラマ
カンテレ「罠の戦争」
第1話ののあらすじと感想です。
以前放送された”戦争シリーズ”と呼ばれる
シリーズの三作目。
事前情報を何も入れずに見出したので、
はじめは草薙剛さん演じる主人公はSPかと
思ってしまったのですが、大臣の第一秘書
という役。
主人公の周囲には、表と裏のある人物や
あからさまに嫌な奴、癖のある人物など、
その言動から腹が立ったりもするのですが
最後にはスッとするような展開があり
なかなか楽しめるドラマです。
さて、ここからはあらすじと感想を
書いていくのですが、ネタバレしている
のでご注意を。
罠の戦争、第1話あらすじ
鷲津亨(草彅剛)は、内閣特命担当大臣の
犬飼孝介(本田博太郎)の第一秘書を務めて
いる。
ことの始まり
犬飼大臣の失言が問題視されるなか、
犬飼の内閣特命担当大臣就任記念
パーティーが行われた。
鷲津は、パーティー会場の入り口で立ち
止まっている青年・蛯沢眞人(杉野遥亮)に
声をかける。
蛯沢は招待客ではないようだが、
鷲津に犬飼大臣の所在を聞くのだった。
蛯沢は犬飼大臣を見つけると早足で近づき
犬飼の額に生卵をぶつけようとしていたの
だが…
それは別の人物によって遮られた。
その人物は犬飼大臣めがけて酒を浴びせ
かけるのだが、咄嗟に鷲津が遮り、
これをかぶる。
おそらくジェンダー平等を掲げる活動家で
先日の犬飼の失言に対しての抗議だろう。
蛯沢は酒で濡れた鷲津にタオルを差し出しす。
蛯沢のリュックから落ちた履歴書を見て、
鷲津は、仕事を探しているのかと聞いた。
その頃、鷲津の息子・泰生(白鳥晴都)は
歩道橋から転落し、救急車で運ばれていた。
蛯沢はポケットに持っていた生卵を2つ
パーティー会場のテーブルの上に置いたの
だが、鷲津はこれを離れたところから
目にしていた。
民政党幹事長の鶴巻健一(岸部一徳)が
パーティー会場に訪れ、失言の件で
犬飼大臣に、足を引っ張るなと忠告する。
鶴巻幹事長は、実際は総理より力がある
といわれている人物だ。
鷲津は妻・可南子(井川遥)から連絡を受け
息子が怪我をして意識がないことを知る。
そこへ総理大臣である竜崎始(高橋克典)が
現れ、犬飼大臣は息子の俊介(玉城裕規)を
紹介するのだが何気なく無視されている。
竜崎総理は鶴巻幹事長に、犬飼大臣の
指導をよろしくと念を押すのだったが
鶴巻は不服な様子である。
鷲津とは古い仲であり、民政党期待の新星
と呼ばれている衆議院議員・鷹野聡史
(小澤征悦)は、犬飼大臣の息子・俊介が
地元の建設会社から不正な金を受け取って
おり、その記事がまもなく出ることを
鷲津に知らせる。
尽くす鷲津と犬飼の正体
仕事に追われる鷲津だったが、
ようやく息子が入院する病院へ行くと
刑事がいた。
事故と事件の両方で捜査をしているという。
通報者は、泰生が突き落とされたところを
直接は見ておらず、現場にいた女性が
言っていたのを聞いただけだという。
泰生は脳の出血から、意識が戻るか
わからず、障害が残るかもしれないという
ことだった。
朝になり、犬飼大臣が病院にやってきた。
表向きは見舞いという形だったが、
真の目的は別にある。
犬飼は鷲津を病院の外れに呼び出すと、
息子の件は事故だった、頼む、と言う。
いくら大臣の指示でも…と難色を示す
鷲津に、犬飼は脅しをかけてきた。
鷲津が指示を飲まなければ、
犬飼の息子・俊介の不正を鷲津に押し付け
るつもりらしい。
これには政策秘書の虻川勝次(田口浩正)と
第二秘書の貝沼永太(坂口涼太郎)が関与
していた。
犬飼は、鷲津のためだと言いながら
鷲津を追い込み、容易く土下座まで
して見せる。
鷲津は致し方なく、
犬飼を前にその要求を飲むのだった…。
そして鷲津は近くで聞いていた妻の可南子
に離婚を持ちかけるのだが、しかし鷲津の
真意を知った可南子は一緒に闘うと言う。
虻川への罠
新人のときに虻川に言った一言以来、
虻川に目をつけられている私設秘書の
蛍原梨恵(小野花梨)。
蛍原が虻川からパワハラを受けていたのを
目撃した新人の蛯沢は、蛍原に事情を聞く。
蛍原は証拠を集め公表することも考えた
が、どうせ潰されるからと半ば諦め、
秘書をやめようとさえ考えていたようだ。
それを聞いていた鷲津は蛍原に、
弱いなりの闘い方がある、と言うのだった。
鶴巻幹事長のお気に入りである
鴨井ゆう子厚生労働大臣は、
「差別もハラスメントも決して許さない」
と大臣就任のスピーチで公言。
その鴨井大臣の目の前で、犬飼大臣の秘書
がパワハラをしたらどうなるか…と、
鷲津は犬飼について嗅ぎ回っている記者・
熊谷ゆき(宮澤エマ)を呼び出し、話を持ち
かける。
蛍原は議員会館の廊下に虻川を呼び出し、
廊下でパワハラの件を公にすることを匂わ
せると案の定、虻川は蛍原に掴みかかり
暴言を吐く。
鷲津と蛯沢の働きで、そのパワハラ現場に
鴨井大臣を導くことに成功。
鴨井大臣は、犬飼大臣にこの件を報告するという。
そしてさらに、この一部始終を見ていた
記者によって週刊誌に記事が掲載された。
鶴巻幹事長に呼び出された犬飼大臣は、
釈明会見を開けと指示される。
鷲津・蛍原・蛯沢
パワハラ騒ぎで蛍原に辞められると都合が
悪い犬飼大臣は、蛍原の待遇の改善を
約束するという。
このことを蛍原に伝えると、蛍原は鷲津に
感謝するのだが、蛍原は鷲津の様子が
気になり、何かあったのかと尋ねた。
すると鷲津は、息子の件で犬飼に脅された
ことを話し始めるのだった。
そして息子を突き落とした人物、
犬飼に手を回した人物、鷲津はそれらを
全員潰したい、と言う。
そして蛍原と蛯沢に、力を貸してくれと。
蛍原は、自分はともかく、新人の蛯沢に
話していいことなのかと鷲津に聞くのだが
しかし鷲津は、蛯沢がパーティーで生卵を
持ち込んでいたことから、犬飼大臣に対し
何かあるとわかっていたのだった。
釈明会見当日。
犬飼は事前にすり替えられた、
蛍原をなじる原稿を読み始めた。
途中で気づいて取りやめたのだが遅く、
記者たちに質問攻めにあった挙げ句に
逆ギレし、会見の場を逃げるように去るのだった。
1話目はここまで。
…あらすじ、めっちゃ長くてごめんなさい。
端折る力が…足りないようです。
罠の戦争、第1話感想
初めから最後まで、パワハラ・セクハラが
けっこう出てきますね。
そんな状況を見ると腹が立つのですが、
最終的に横暴な人たちはしっぺ返しを
食らう…はず。
平気で人を虐げている人々は
なかなか反省ということをしない様子
ですが、このドラマは最後に、スッと
胸のすくような展開を見せてくれるのです。
やりすぎの復習劇とかは見ていてイヤに
なりますが、よくないことや不正などが
暴露されるというのは見ていてスッキリ。
鷲津亨(草彅剛)という人物
鷲津亨(草彅剛)の家族は仲がいい。
鷲津は第一秘書という忙しい仕事を
こなしながら、休日には家族でキャンプに
出かけるなど、家族との時間を大切にして
いるようだ。
一方、鷲津は大臣を命がけで守っている。
パーティーで酒をかけられるシーンが
あったが、あれがもし酒ではなく、
何らかの劇物などだったりしたら…
と思うとまさに命がけ。
そこまでして犬飼に尽くしている鷲津。
一度会った関係者の顔と名前は絶対忘れず
肩書から家族構成、近況まで全てを頭に
入れている。
パーティーの調整から大臣のミスの尻拭い
まで、面倒な仕事はほとんど鷲津がこなし
ているようだ。
古い仲である鷹野からは、よく20年も
あんな人に付いていられるな、
と言われているくらい。
奨学金の返済をし始めたときに会社が倒産
して失業、母親は余命わずかで途方に暮れ
ていたところに手を差し伸べたのは、
犬飼だったらしい。
それから鷲津は犬飼に恩を感じてずっと
尽くしてきたのだが…
そのお返しとしては、犬飼の仕打ちは
なんともひどすぎる。
いくらなんでも…というくらい、
犬飼は保身のためなら何でもするという
人物なのだ。
草彅剛さん演じる役は、基本的に真面目な
役どころが多いように思う。
真面目で意思の強い人物。
優しげでありながら激しさもある。
とてもハマり役だと思います。
犬飼孝介(本田博太郎)という人物
犬飼は登場からかなりクセが強いキャラ。
鷲津の部下・蛍原いわく、
「会食の数は党内でもトップ。つきあいの
良さと得意の土下座でここまで来た。」
らしい。
何か面倒なことがあると、
「頼むぞ、鷲津」と言い
鷲津に何でも丸投げする人。
こういう人って、日頃何やってんだろ。
自分への質問の回答も、自分がすべき謝罪
も、スピーチの原稿も何もかもが人任せ。
蛍原は言う。
「(秘書の仕事は)国政に関わることから
議員の雑用まで何でもあり。(略)議員の
ために頭を下げて下げて下げまくる。」
本当に議員本人って何やってんだろ。
真面目に仕事してる人はともかく、
これだけいろいろ丸投げしている裏で
自分でやる仕事ってどんなことなのか。
安いモナカアイス食べながら、
「原稿にちゃんと振り仮名振っといてよ」
と言う犬飼…
かわいらしいのかアホっぽいのか…。
仕事中にアイス食べる暇があったら、
自分で調べて書いとけと言いたいものだ。
というか、長いこと議員やってたら少々の
漢字くらいは覚えんのかい、と。
何でもかんでもこの人たちの言うことを
素直に聞いて仕事をしている秘書たち
には頭が下がるばかり。
鷲津の息子が入院していることを聞きつけ
病院に来たときには、なんで?と、
不信感しかなかったよね。
鷲津は誰にもこの事を話していないのに、
どこで聞きつけてきたのかと。
泰生(たいき)君は孫みたいなもんだ、
というがとても嘘くさい。
これみよがしに心配し、遠慮なく何でも
言ってくれという犬飼だが、
胡散臭さがにじみ出ているのは
ここまでの描写からよくわかる。
それも犬飼役の本田博太郎さんの演技の
たまものなのでしょう。
この方のクセのある人物はヘンに印象に
残るよね。
「ワ・シ・ヅ」と癖のある言い方は
すごく耳に残る。
表向きは腰が低く、人当たりの良い人物。
鷲津と奥さんの前では表向き、泰生君の
お見舞いだと言い、親身になってくれて
いる上司といった感じなのだが、
ちょっといいかな、と別の場所に呼び出す
鷲津には、裏で圧力をかける。
表向きはいい人を演じてはいるが、
自分以外は踏みつけてもいいと思っていて
それがにじみ出ているような人物。
困ると土下座しておけばいいと考えている
ようで、そのような人物の土下座は軽い。
女性の鴨井大臣には「今日もお美しい」
と言い、ご機嫌を取ろうとする。
思わず、昭和かよ。と言いたくもなる。
平成の時代、とある社長夫人に対して
そういうおべっかを使う人を実際見たこと
あるけれど、当時20代の私はかなり引いた…。
ご機嫌取りの定番のようなこの言葉を口に
する人って、相手をどう見ているのだろうか。
言われた人がそれで嬉しいのなら、それは
それで成立してるからいいとは思うのだが…。
「お美しい」と言われた本人である
鴨井大臣はこの言葉を無視。
謝罪会見について聞かれ、
「口は災いの元ですなぁ」と言う犬飼だが
さきほどの鴨井大臣への発言から、
本人はまったく本質がわかっていないのだ
ということが分かる。
虻川の件で謝罪会見をするにしても、
謝罪文をやはり秘書の鷲津に書かせる。
そして蛍原への謝罪ではなく、
世間への釈明ですらなく、
「鶴巻幹事長が納得するような原稿にしてくれ」
と要求する犬飼は、
自分の保身しか考えていないのだ。
こういう人が国の一端を担う…
誰も責任を取らないはずだ。
セクハラ・パワハラの代表的人物
犬飼の政策秘書である虻川勝次(田口浩正)
の言動にいちいち腹が立つのですよ。
こういう人は、自分の鬱憤を弱い立場の
人をいじめたり陥れることで晴らそうとする。
最低だ。
色気がねぇとかモテねぇだろうとか、
その言葉、そのままお返しします。
蛍原の顔を見れば嫌味を言う虻川。
蛍原を指して「おねえちゃん」と言う。
自分の抜けを置いておいて…というか
ただの嫌がらせのつもりなんだろうけど
人に対して「使えねぇ」とか言う。
農家の人たちの事を農家の”連中”と言う。
「連中」という言葉は、
使う側の気持ちでその意味は変わる。
そこに愛情が入っているか、自分より下だ
という蔑みを含んだ言い方をしているか。
虻川は後者だ。
自分のパワハラと暴力が問題になったから
と言って「あれくらいで大袈裟だ」という
虻川。
自分の若い頃は普通にあったと言い訳を
する。
ならば自分がそんな目に遭ったとしても
文句はないのだろう。
蛍原が仕組んだことだから、蛍原を首に
しましょう、なんて…自分のやったことは
棚に上げてよく言えるものだ。
今どきこんな人…居るんだろうねぇ。
ぜひ一掃、撲滅、根絶されてください。
ちょっと気になる子鹿さん
衆議院議員会館の事務員、子鹿さん。
この人が虻川に脚立をぶつけたとき、
思わず、ヨシ!いいぞ子鹿さん!と
思ってしまった。
「こじか」じゃなくて「こしか」さん。
公式の相関図やキャストには出ていない
ものの、作中のテロップに名前が出ていた
ので、今後も出る可能性はありかな。
ちょっと注目したい人物だなぁと思って
調べたら、空気階段の水川かたまりさん
という芸人さんだそう。
最近のお笑いは疎いのでわからないのです
が、「イチケイのカラス」や
「妻、小学生になる。」にも出演されていたそうです。
どちらも見ていたので、きっと見ては
いたんだろうな…覚えはないけど。
全体を見て思ったこと
こういうのを見ていると、
大臣とか議員の秘書が不憫でならない。
もちろん、真面目でまともな人たちも
いるのでしょうけど。
女性秘書も、よくそんなハラスメントの
多いところで仕事をやっているなと。
もちろん一般の職場でもハラスメントは
あるし、会社によっては酷いところも
あるのはあるけれど…。
犬飼のような悪徳議員は、真面目な秘書
より、何でもやる悪徳秘書のほうが
扱いがしやすいのだろうね。
虻川は日頃から素行がよくないようだが
パワハラで問題になっても、犬飼は虻川を
首にしようという考えは1つもないようだ。
不正な領収書の処理を拒んだり、いちいち
正そうとする生真面目な秘書よりも、
自分の意向を、良し悪し関係なく黙って
処理してくれればそれでいいのだろう。
どのみち、都合が悪くなれば
罪を全て着せて切ってしまうのだから…。
今回、ちらっと出た犬飼の運転手。
この人は、犬飼と虻川が鷲津を陥れようと
していた会話を見聞きしている。
この人は今後どう関わってくるのだろう。
このドラマは今後も楽しみです。
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戦争シリーズとは
この「罠の戦争」には、”戦争シリーズ”と言われる前作品があります。
- 「銭の戦争」(2015年放送)
- 「嘘の戦争」(2017年放送)
銭の戦争はすごく面白かったのを覚えています。
嘘の戦争については覚えがないので見ていないかも…。
今回の「罠の戦争」が放送されるにあたり、この2つは一時的に無料配信されました。
今はまたカンテレドーガで有料配信されているので、興味があれば是非どうぞ~。